【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

沢井製薬と日医工 製造所集約と品目統合に向けた協業に合意、15成分30品目 安定供給体制構築へ

公開日時 2025/09/11 04:51
沢井製薬と日医工は9月10日、後発品の製造所集約と品目統合に向けた協業に合意した。まずは15成分30品目(2025年9月現在の計画)について協議を進め、2026年以降、準備が整い次第順次開始する。後発品の供給不安が続くなかで、協業を通じて生産効率を向上し、生産キャパシティを増加させ、安定供給体制の構築に取り組む考え。

今回の協業について両社は本誌に対し、「以前から両社間で安定供給に向けて取り組みたいということで検討を進めてきた。両社ともに規模が大きく、重複品目が多いことから、供給不安を改善するために連携が必要であろうという認識が合致したことから、今回の連携に至った」と説明。“安定供給”の観点から協業に至ったと強調した。

◎少量品目や同一成分収載数の多い品目を基準に選定 中止代替16品目、片寄せ14品目

統合を進める品目についても、少量多品目構造を解消し、安定供給を進める観点を重視したと説明。少量製品の製品や同一成分の収載数が多い製品を基準に選定したという。選定した15成分30品目は、①中止代替(一方の製品を発売中止し、もう一方の製品で代替供給する)16品目、②それぞれで製造していた品目を一方の製造所に統合する14品目-で、今後さらに協議を進める考え。

協業に際しては、品目統合に伴う生産性向上に向けた設備投資等の経費補助を行う「後発医薬品製造基盤整備基金」の活用も視野に入れる。基金は薬機法改正に盛り込まれたが、まだ具体的内容については明確になっていないことから、今後両社で活用について検討を進める考え。「品目によっては、特殊な製造機械が必要なものもある。他社の品目を引き受ける際に設備投資が発生する」(沢井製薬広報)としており、こうした観点も踏まえて検討を進める方針。

◎日医工「協業の実績積み上げたうえで、今後幅を広げて連携を検討」

日医工をめぐっては今年7月、同社に加えて共和薬品、T’sファーマの3社を傘下とする持株会社アンドファーマが発足しているが、今回の取組みは日医工個社としての取組み。本誌に対し、日医工広報は、「今回の連携によって、協業の実績を積み上げていきたい。その上で、今後、幅を広げて連携を検討していきたい」とコメントした。

◎沢井製薬・澤井会長「強化した供給力をさらに効率的に高める」 新たな取組みも継続して模索

沢井製薬の澤井光郎代表取締役社長は、「当社は、これまで生産能力の増強やサプライチェーンの最適化など、安定供給について個社の企業努力を続けてきた。今回のように品目数や供給量、生産能力の大きい企業同士が協業することは、これまでの努力によって強化した供給力をさらに効率的に高め、供給不安の早期解決に大きく寄与するものと考えている。今後も公正で健全な競争環境を尊重しつつ、安定供給に貢献できる新たな取り組みについても継続して模索する」とコメントを寄せた。

◎日医工・岩本社長「後発品の安定供給体制構築に全力」

日医工の岩本紳吾代表取締役社長は、「当社は、23年3月より新経営体制のもと、生産体制の見直しと品質保証体制の強化に取り組んできた。品質の良い医薬品を安定的に供給し、人々の健康と幸せにより一層寄与することはもちろんのこと、沢井製薬様との協業により、後発品の安定供給体制の構築に向けて全力を尽くす」としている。

なお、沢井製薬は771品目(25年6月24日時点)、日医工は866品目を有している。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(7)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー