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CNS薬理研究所・石郷岡主幹 うつ病の症状や社会機能の回復をイメージした知識の浸透や啓発を

公開日時 2021/09/30 04:50
CNS薬理研究所の石郷岡純主幹(医療法人石郷岡病院理事長)は9月29日、武田薬品とルンドベック・ジャパン共催セミナーで「患者さんと医師のうつ病の症状、治療への期待、社会機能に関する共同調査研究」の結果を報告した。うつ症状の認識と治療への期待について医師と患者それぞれ分析したところ、医師はうつ病治療への期待を「元の生活に戻ること」としているのに対し、患者は「副作用が起きないこと」を期待しており、医師と患者で相違のあることが分かった。石郷岡主幹は、うつ病の症状や社会機能の回復といった治療目標がイメージできるような知識の浸透や啓発などを進めていく必要性を強調した。なお、共同調査研究の結果は9月10日付でNeuropsychiatric Disease and Treatmentに掲載された。

「うつ病は寛解に至っても6割の患者が再発するなど、回復の判断の見極めが非常に難しい疾患だ」-。石郷岡主幹はこう強調する。特にうつ病寛解後の認知症状の残存が日常生活や職場、学校等に戻った後の社会機能に影響を及ぼす可能性が指摘されている。このため、うつ病の治療にあたっては、「症状の改善とともにQOLの改善が求められる」と石郷岡主幹は指摘した。

◎職業評価・対人関係などの社会機能は、医師が患者よりも低く評価する傾向

その上で共同調査研究結果を報告。共同調査研究は、日本のうつ病治療に対する患者と医師の認識を3つの病期(重症期、軽症期、軽快期)に分けて検討したもの。症状についての認識をみると、「気分症状」、「身体症状」、「認知症状」とも医師と患者の認識に大きな相違が無いことが分かった。

一方、個人が家庭、職場、学校などのコミュニティで、患者が相応の社会的役割を果たすために発揮するべき機能について評価した。評価指標にはFAST (Functioning Assessment Short Test:簡易社会機能評価)を用いた。その結果、患者の社会生活における障害をFASTスコアでみたところ、全ての病期で患者より医師の方が高い結果となり、「医師は病期にかかわらず、患者の社会機能を常に患者に比べて低く評価する傾向がみられる」と分析した。

◎治療への期待 医師は「元の生活に戻れること」、患者は「副作用が起きないこと」


うつ病治療に対する患者と医師の期待についても分析した。「治療に期待すること」では、医師は重症期から軽快期に向かうにつれて、「元の生活に戻れること」を考える割合が増えていることが分かった。一方で患者は、「副作用が起きないこと」を希望する割合が増える傾向があり、患者と医師では治療に期待することに相違があることが分かった。

◎スムーズな社会復帰で患者と医師の間に差があることを理解して診療に臨む

石郷岡主幹はこの結果について、「病期によっては症状、社会機能、治療への期待で医師と患者にやや相違が見られたが、全体として、患者と医師の間で大きな違いはなかった」と指摘した。ただ、「職業評価や対人関係などの社会機能に関しては、患者さんが楽観的に捉える傾向がある。症状、社会機能の回復の目標がイメージできていない可能性が示唆された」と分析。その上で、これからのうつ病の治療に際しては、「患者に対し、うつ病の社会機能についての知識を浸透させるための啓発を行い、医師はスムーズな社会復帰のために患者との間で認識に差があることを理解したうえで診療に臨むことが期待される」と述べた。


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