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厚労省保険局 次期改定の論点「外来化学療法を実施する患者からの相談・緊急受診への対応を評価」へ

公開日時 2021/10/25 04:51
厚労省保険局医療課は10月22日の中医協総会に、次期診療報酬改定の論点として、外来化学療法を実施する患者からの相談や緊急受診時の対応に関する評価をあげた。仕事に従事しながら悪性新生物で通院する患者が近年増加している。一方で分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など外来化学療法に使用できる薬剤も増え、投与中のモニタリングや投与後の副作用症状について、患者指導や緊急時の相談・対応体制の整備が求められている。このため同省は、「安心・安全な外来化学療法を推進していく観点から、外来化学療法加算等の評価をどのように考えるか」を論点にあげた。

◎仕事を持ちながら通院で外来化学療法を受ける患者が急増

悪性新生物で治療を行う患者は50歳代以上に多く、近年は仕事を持ちながら通院で治療を受ける患者が急増している。実際に悪性新生物で治療する患者の入院と外来の割合をみても、2005年を境に入院患者を外来患者の総数が上回っており、2017年実績でみると、入院患者数12万6000人に対し、外来患者数は18万3600人で、特に外来患者は治療の副作用や症状等をコントロールしつつ、通院で治療を受けながら仕事を続けている場合が多い。

◎専門職が連携して患者に適切な説明を行う体制整備を

政府もこうした状況を把握しており、2018年に閣議決定した「第3期がん対策推進基本計画」において、外来薬物療法に関する多職種による院内横断的な検討の場の設置を求め、専門的な医師や薬剤師、看護師、がん相談支援センターの相談員等の人材育成、適正配置に努めるほか、それら専門職が連携し、患者に適切な説明を行うための体制整備に努めるよう求めていた。

一方、診療報酬面では、外来化学療法加算により、抗悪性腫瘍剤等による注射の必要性や副作用、用法・用量、その他の留意点等について患者に文書で説明し、同意を得るなどの算定要件を設けている。さらに、無菌性剤処理料(2008年度改定)、がん患者指導管理料(2014年度改定)、連携充実加算(2020年度改定)など外来化学療法加算を中心に各種の体制整備を評価した経緯がある。

◎分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など 投与中のモニタリングや副作用対応が急務に

今回の改定では、こうした背景に加えて、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新薬が数多く上市され、また副作用の発症時期もそれぞれの薬剤によって異なることから、外来化学療法を実施している患者の投与中のモニタリングや患者からの緊急時の相談や指導などの対応をこれまで以上に重視する必要性を強調している。具体的には、自宅や職場にいる患者が医療従事者に対し、相談や緊急時の受診などを求めた場合として「ホットライン等の帰宅後も速やかに対応できる体制の整備」をイメージしている。さらに、安心・安全な外来化学療法を推進していく観点から「副作用の発現等に係る医師による一連の治療管理・指示」をあげ、医療従事者や多職種連携のより一層の強化と体制整備についての評価を求めている。

この日の中医協総会で保険局医療課は、「近年、通院しながら抗がん剤治療を受ける患者が増えており、治療の副作用や症状等をコントロールしつつ、通院で治療を受けながら仕事を続けている場合が増えてきている」と説明。「安心・安全な外来化学療法を推進していく観点から、副作用の発現に係る管理や緊急時の相談対応等について、体制整備に万全を期す必要がある」と説明した。

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