小野薬品 オノアクト、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の効能追加を一変申請
公開日時 2021/10/29 04:49
小野薬品は10月28日、オノアクト点滴静注用(一般名:ランジオロール塩酸塩)について、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈の効能追加を一変申請したと発表した。成人対象では2013年11月に承認されている。
同剤は短時間作用型β1選択的遮断薬で、主に心臓に多く存在するβ1受容体を選択的に遮断することで心拍数を下げる。
今回の申請は、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈患者を対象とした後期第2/3相多施設共同非盲検非対照試験(ONO-1101-31)の結果に基づく。同社によると、この試験で心機能を低下させることなく、速やかに心拍数を減少させることが確認されたとしている。
小児の先天性心疾患に対する開心術後などの循環動態が不安定な心機能低下例において、頻脈性不整脈が持続すると重篤化し、死に至ることがある。このため、ただちに頻脈性不整脈に対する治療が必要になる。
小児では体格や年齢によってカテーテルアブレーションなどの非薬物治療が困難な場合があることから、薬物治療が主たる治療手段となる。しかし、国内で小児適応が認められている抗不整脈薬は少なく、小児患者に対する新しい治療選択肢が必要とされている。