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日本の医薬品市場規模 26年にドイツに抜かれ4位に 主要国唯一のマイナス成長国になる可能性

公開日時 2021/12/21 04:52
IQVIAの情報研究機関であるIQVIA INSTITUTEはこのほど、医療用医薬品の国別の市場規模予想をまとめ、現在3位の日本は2026年にドイツに抜かれて4位になると分析した。日本の22年~26年の5年間の年平均成長率はマイナス2%~プラス1%になると予測。米国、日本、ドイツなど10の医薬品先進国だけでなく、中国、インド、ロシアなど22の医薬品新興国を含めても、日本は唯一のマイナス成長国になる可能性があるとした。ちなみに日本は17年~21年の5年間の年平均成長率はマイナス0.5%で、医薬品先進国の中で唯一のマイナス成長国だった。

文末の「関連ファイル」に主要国別の26年の市場規模と5年間の年平均成長率の一覧表をまとめました(ミクスOnlineの会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

今回の市場予測の調査レポートの名称は、「The Global Use of Medicines 2022 OUTLOOK TO 2026」。各国の市場規模は為替変動を含み、成長率は固定為替レートを用いたもの。このため、26年の予測値と、21年市場値と年平均成長率の積による値は一致しない。

日本の市場規模は、21年の854億ドルが26年に730億ドル~930億ドルになると分析した。現在4位のドイツは21年の646億ドルが26年に760億ドル~960億ドルになり、26年まで5年間の年平均成長率は4.5%~7.5%で推移するとした。日独の成長率によっては日本が3位をキープする可能性があるものの、調査レポートでは、「26年にはドイツが日本を抜いて世界3位の市場になる」としている。

◎長期収載品 26年までの年平均成長率はマイナス12%

日本市場は、「より強力なイノベーションが年次薬価改定へのシフトによって相殺され、日本の医療品支出は26年まで減少傾向となる」と分析された。

市場はコロナ禍から回復するものの、毎年改定と後発品使用促進によって「長期収載品に影響を及ぼす長期的傾向が続く」と指摘。長期収載品の26年まで5年間の年平均成長率は12%のマイナス成長になるとし、これが日本市場がマイナス成長又は超低成長になる最大の理由だとした。長期収載品の支出シェアは11年の27%が21年に13%に減少し、26年までに7%に減少するとしている。

◎新薬支出 過去10年で47%から54%に上昇

一方で、調査レポートでは、特許期間中の新薬の支出シェアは過去10年間で47%から54%に上昇したとし、「同シェアが経時的に減少するという長期にわたる歴史的傾向を逆転させた」とも明記した。

◎世界市場は3~6%で成長

世界の医療用医薬品市場は、21年の1兆4235億ドルが26年に1兆7500億ドル~1兆7800億ドルになると予測した。26年まで5年間の年平均成長率は3~6%と分析。ほとんどの医薬品先進国で、21年に新型コロナによるパンデミック前の成長傾向に戻り、26年までこの傾向は維持されるとした。

医薬品支出が100億ドル超の10の医療先進国(米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、カナダ、韓国、オーストラリア)の26年の市場規模は計1兆1000億ドル~1兆1130億ドル、5年間の年平均成長率は2~5%。1人当たりの所得が年間3万ドル未満で医薬品支出の絶対成長が5年間で10億ドル超の国を指す医薬品新興国(中国、インド、ブラジル、ロシア、アルジェリア、南アフリカなど22カ国)では26年に計4700億ドル~5000億ドル、年平均成長率は5~8%と分析した。

最大市場の米国の市場規模は26年に6850億ドル~7150億ドルとなり、5年間の年平均成長率は2.5~5.5%と分析した。ブランド薬の価格上昇は「歴史的に低く」なるほか、特にバイオ医薬品の特許切れが新薬による成長の一部を相殺するため、成長率は減速する可能性があるとしている。
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