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アクセンチュア 日本のデジタルヘルス「受診相談・診療支援」「慢性疾患管理・重症化予防」に普及余地

公開日時 2022/02/02 04:51
アクセンチュアは2月1日、「ヘルスケアに対する意識・行動に関する調査結果」を公表し、デジタルヘルス市場の黎明期における初期ターゲットとして、循環器疾患、メンタルヘルスの罹患者、介護に関わるケアラーが有望との見解を示した。同日の記者説明会に臨んだ石川雅崇ライフサイエンスプラクティス日本統括(執行役員)は、日本国内でデジタル化の余地がある分野として、①受診先を案内する在宅でのデジタル受診相談・診療支援、②慢性疾患における疾病管理・重症化予防-をあげ、普及拡大への期待感を表明。ロシュ社の事例をあげながら、治療の個別化や患者の行動変容による重症化予防などで効果をあげているとした。

◎デジタルヘルスの利用経験割合 循環器疾患、メンタルヘルス疾患の罹患者に多く

この日の記者説明では、2021年6月に日本を含む世界14か国で実施したヘルスケアに対する意識・行動に関する調査の結果が報告された。デジタルヘルスの利用経験割合が高い日本人の属性をみると、循環器疾患、メンタルヘルス疾患の罹患者が多かった。また介護経験のある回答者は、デジタルヘルス経験の割合が高く、特にミレニアル世代以下の若い層で顕著だった。このほか日本人のデジタル技術の利用可能性を高める上で重要な要素として、世代に関係なくデータの安全性やプライバシーに対する信頼、医療機関からのアドバイスをあげる声が多かった。

◎患者の予約待ち時間短縮化、医師の診療負担軽減、医療リソース不足の解消に寄与

調査結果を踏まえて日本のデジタルヘルスの進展に向けた課題と方向性で講演した石川統括は、高水準の医療制度を持つ日本においては、初診患者と専門医師のミスマッチがあるほか、慢性疾患管理のニーズが高い一方で、治療順守率は必ずしも高くないと指摘。AI問診やウェアラブルデバイス、在宅検査が近年急速に進化していることをあげながら、「患者の受診先案内の必要性と、受診数の多さから、在宅デジタル受診相談・診療支援の普及余地がある」と強調した。また、患者の予約待ち時間の短縮化や、医師の診療負担軽減、医療リソースの不足・地域偏在などの解決に寄与する「AIを用いたデジタル受診相談・診療支援の利用が世界中で拡大し、日本での実現可能性も高い」と見通した。

◎ロシュ社 医療用ウェアラブルを活用したモニタリングや医療者とデータ共有


一方、慢性疾患における疾病管理・重症化予防が求められる理由について石川統括は、「遠隔モニタリングで得られる実臨床データを医師とリアルタイムに共有することで、医師の診断・治療の精度向上や患者の意識・行動変容による症状改善が期待される」とし、ここにデジタル化普及の余地があると強調。ロシュ社(スイス)が、医療用ウェアラブルを活用したモニタリングや医療者とのデータ共有により、慢性疾患における治療の個別化や患者の行動変容による重症化予防を実現したと紹介した。一方、日本においても福島県・会津若松市がウェアラブルデバイスを利用して疾病リスクを検知し、患者はアラートを元にオンラインで検査予約できるという一気通貫のプラットフォーム構築が進んでいると述べ、健康寿命の延伸を実現する新たな日本型デジタル医療の将来像として、強い期待感を表明した。


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