厚生労働省は３月９日、薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会を開き、「CureApp HT 高血圧治療アプリ」など承認について審議する。

高血圧治療アプリは、血圧モニタリングと生活習慣のログから、個別最適化された食事や運動、睡眠などの情報を自動的に患者へと届けるもの。高血圧治療では継続的な生活習慣の改善が重要だが、個人の意欲や環境などの要因が継続を阻んでいることが指摘されていた。アプリを通じて患者に直接情報を届けることで、患者の意識・行動変容につながり、継続的に生活習慣が改善され、適正な血圧が維持されることが期待される。医療者側にとってもアプリを通じて、患者とのコミュニケーションが深まり、診療の質向上につながることが期待されている。

CureAppは、自治医科大学内科学講座循環器内科学部門と共同で研究を実施。CureAppが2021年５月に薬事申請していた。申請は、第3相臨床試験「HERB-DH1 pivotal study」の結果に基づく。本態性高血圧症で治療中の20歳以上65歳未満の男女399例を対象に、デジタル治療（介入）群と対照群にランダムに割付け、治療効果を比較した。主要評価項目に据えた、ABPMによる24時間収縮期⾎圧のベースラインから12週後の変化（主要評価項目）の群間差（調整平均）はマイナス2.4mmHg（デジタル治療群：マイナス4.9mmHg、対照群：マイナス2.5mmHg）で、有意な降圧効果を示していた。

このほか、医療機器「nodoca（ノドカ）」の承認についても同日、審議する。薬食審プログラム医療機器調査会は前回、薬事・食品衛生審議会 (医療機器・体外診断薬部会)と合同で開かれており、今回初めて単独で開催される。