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日本BI、日本リリー ジャディアンスの添付文書改訂 左室駆出率を問わずに処方が可能に

公開日時 2022/04/07 04:51
日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーは4月6日、 SGLT2阻害薬「ジャディアンス(R)錠10mg」(一般名:エンパグリフロジン)の添付文書を改訂した。「効能・効果に関連する注意」に記載されていた、「左室駆出率(LVEF)の保たれた慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること」が削除される。慢性心不全について標準的な治療を受けている成人の慢性心不全患者に対して、左室駆出率を問わずに処方が可能になる。

添付文書の改訂は、左室駆出率の保たれた慢性心不全患者(HFpEF)を対象に実施された国際共同第3相臨床試験「EMPEROR-Preserved」の結果に基づく。プラセボ対照二重盲検比較試験で、対象は、左室駆出率が保たれた慢性心不全患者(LVEF40%超、NYHA心機能分類Ⅱ~Ⅳ度、eGFRが20mL/min/1.73m2以上)。日本人417例を含む5988例がジャディアンス群2997例(日本人212例)、プラセボ群2991例(日本人205例)にランダムに割り付けられた。なお、前治療として、ACE阻害薬、ARB、ARNi、β遮断薬、MRA等が投与されていた患者が組み入れられた。

主要評価項目に据えた心血管死+心不全による入院(初回)の複合エンドポイントの発生率は、ジャディアンス群で13.8%(415例)、プラセボ群17.1%(511例)で、有意な低下を認めた(ハザード比(HR):0.79,95%CI:0.69-0.90、p<0.001)。特に、心不全による入院(初回)で、有意な低下を認めた(HR:0.71、0.60-0.83)。

なお、同剤の効能・効果は、2型糖尿病(ジャディアンス10mg)と慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)とされている。
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