興和は６月３日に、体外診断用医薬品の新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）抗原検査キット「アンスペクトコーワ SARS-CoV-2」を発売する。製造販売元は医学生物学研究所。同キットはイムノクロマト法に基づき唾液検体中の新型コロナウイルス抗原を検出できる。付属の唾液採取用綿棒を用いることで、日本で初めて、体外診断用医薬品として直接、口腔内から唾液検体を採取することができる。

検査時間は、付属の抗原抽出液で処理した唾液検体をテストカセットに滴下してから15分で、従来の鼻腔・鼻咽頭検体を用いた抗原検査キットと同程度となる。

同キットを用いることで、被検者自身で検査が実施可能な上、鼻腔・鼻咽頭検体採取時のくしゃみなどの飛沫による周囲への感染拡散が抑制でき、鼻腔等の粘膜損傷の回避も期待できる。同社は、「小児・高齢者の方でも安心して使用いただけると考えている」としている。なお、従来の、いったん唾液検体採取用の滅菌容器等に唾液を吐き出し、この容器より綿棒にて唾液を採取する方法にも対応している。

同キットは一般の人も医療施設、調剤薬局、ドラッグチェーンで購入できる。また、興和は各種企業・自治体などでの購入も想定している。