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米NIH がん遠隔医療研究に2300万ドル助成

公開日時 2022/08/25 04:49
米国立衛生研究所(NIH)は8月18日、がんケアに関する遠隔医療(テレヘルス)の研究を行う中核研究拠点(center of excellence)を新規に設置する4か所の研究機関に、5年間にわたり合計2300万ドルを助成することを発表した。NIHは、この助成金拠出により、米政府のがん撲滅プロジェクトである「がんムーンショット」の一環として、NIH傘下のNCI(国立がん研究所)遠隔医療中核研究拠点イニシアチブ(NCI‘s Telehealth Research Centers of Excellence initiative)を開始する。

NIHは、遠隔医療について、電話、e-mail、ショートメッセージあるいはビデオ会議など電子的手段を活用して医師やその他医療供給者によるヘルスケアと定義している。コロナパンデミック時に遠隔医療は、プライマリーケアやがん医療を含む専門医療で急激に増加した。しかし、がん関連医療供給における遠隔医療の最善の活用方法や維持方法については殆ど理解されていないため、今回の研究拠点設置構想につながった。

NCIのがんコントロール人口科学部のKatrina Goddard部長は、「がんムーンショットの目的のひとつは、がんの経験における患者、家族および世話をする人の負担を軽減させることだ」と述べたうえで、「我々は、遠隔医療が一連のがん医療のなかでアウトカムを改善させるのにどのように貢献できるかをよりよく理解するために拠点を助成するのである」と助成金拠出の目的について語った。

4か所の研究拠点では、がん予防からスクリーニング、診断、治療、生存状況までの分野における遠隔医療の役割を研究ターゲットとする。各学術機関では、すでに病院、がんセンター、腫瘍専門医やプライマリーケア診療所などリアルワールドの臨床施設における大規模試験の実施を担当する多様な研究者チームを集めている。

4か所の施設は以下の通りである。
*The Telehealth Research and Innovation for Veterans with Cancer(THRIVE)Telehealth Research Center(ニューヨーク大学グロスマン医学部:ニューヨーク市)。
*The Scalable Telehealth Cancer Care(STELLAR)Center(ノースウェスターン大学:イリノイ州エバンストン)。
*The University of Pennsylvania Teleheath Research Center of Excellence(Penn TRACE)(ペンシルバニア大学:フィラデルフィア)。
*The Making Telehealth Delivery of Cancer Care at Home Effective and Safe(MATCHES)Telehealth Research Center(メモリアルスローンケッタリングがんセンター=MSK、ニューヨーク市)。
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