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エーザイ・内藤CEO レカネマブ・年度中の日米欧フル承認申請完了に意欲 米保険償還フルカバー目指す

公開日時 2022/11/08 04:50
エーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは11月7日の2022年度第2四半期決算説明会で、アルツハイマー病治療薬候補レカネマブの第3相「Clarity AD」試験での主要評価項目達成を受け、日米欧の規制当局(FDA、PMDA、EMA)の他、米メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS)ともコミュニケーションを開始したことを明らかにした。22年度中の日米欧のフル承認の申請完了を目指すとともに、「Clarity ADはCMSが規定しているハイレベルエビデンスに相当すると考えており、米国における保険償還フルカバレッジの確保を目指したい」とした。

内藤CEOは、査読付き高インパクトファクターのジャーナルへのClarity AD試験結果の掲載準備が順調に進んでいると説明した。11月29日~12月2日に米サンフランシスコで開催されるCTAD(15th Clinical Trials on Alzheimer’s Disease)の初日に「レカネマブ・セッション」が組まれていると明かし、「Clarity ADについて極めて包括的かつ多面的にさまざまなディテールなデータが吟味、報告される機会になると考えている」と述べた。

◎22年度第2四半期業績・1.0%減収、91.3%減益 一方で医薬品事業は17.8%増収

22年度第2四半期の連結売上高は、前年同期比1.0%減の3586億2600万円、営業利益は91.3%減の52億5300万円の微減収・大幅減益となった。売上高の内訳を見ると、医薬品事業は17.8%増の3526億円と好調だったものの、その他事業が90.4%減の61億円にとどまった。前年同期に抗体薬物複合体「MORAb-202」に関する米ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)との戦略的提携による契約一時金(496億円)を計上した影響などにより9割減収となった「その他事業」を、好調な医薬品事業がカバーして微減収を確保した格好だ。

◎内藤CEO「通期では予定の範囲にリカバーする」

内藤CEOはまた、その他事業の大幅減収の理由について、前年同期にあったBMSからの大型契約一時金受領の反動以外に、「上期に予定していたビジネスディベロップメントアイテムが下期に期ずれしたため」と説明。その上で「下期中に必ず実現するめどが立っており、通期では予定の範囲にリカバーすることに大きな自信を持っている。したがって、(中間期の)営業減益は一過性のものであり、通期には必ず回復する」と強調した。なお、その他事業の通期売上予想は530億円。

◎グローバルブランド4製品がいずれも増収


好調な医薬品事業では、グローバルブランド4品のレンビマが39.6%増の1282億円、ハラヴェンが7.5%増の214億円、フィコンパが32.8%増の201億円、デエビゴが114.4%増の136億円と、いずれも増収だった。地域別に売上高を見ると、日本(医療用医薬品)は6.3%増の1106億円、アメリカス(北米)は41.2%増の1064億円、中国は14.5%増の633億円、EMEA(欧州、中東、アフリカ、ロシア、オセアニア)は24.7%増の350億円、アジア・ラテンアメリカは0.6%増の248億円といずれも増収だった。

通期の連結業績予想については、直近の為替動向やレンビマをはじめとするグローバルブランドの伸長を踏まえ、売上高を7000億円から7600億円へ600億円引き上げた。レンビマについては、2180億円から2620億円へ440億円上方修正。特にアメリカスで1455億円から1740億円へ285億円、中国で235億円から330億円へ95億円引き上げている。また、デエビゴについて、270億円から310億円へ40億円上方修正。特に日本で180億円から250億円へ70億円引き上げている。各利益については、期初から変更しなかった。

【連結業績(前年同期比)22年度予想(前期比)】

売上高 3586億2600万円(1.0%減)7600億円(0.5%増)←修正前7000億円
営業利益 52億5300万円(91.3%減)550億円(2.3%増)
親会社帰属純利益 304億6500万円(33.8%減)570億円(18.9%増)

【全世界主力製品売上高(前年同期実績)22年度予想、億円】
レンビマ  1282(918)2620←修正前2180
ハラヴェン 214(199)430←修正前380
フィコンパ/Fycompa  201(152)420←修正前375
メチコバール 164(141)
デエビゴ 136(63)310←修正前270
アリセプト  126(125)
イノベロン/Banzel 38(63)

【国内主要製品売上高 (前年同期実績)22年度予想、億円】
ヒュミラ 247(248)465←修正前415
デエビゴ 111(47)250←修正前180
レンビマ 69(51)145←修正前135
メチコバール 53(53)100←修正前90
ハラヴェン 43(41)85
エレンタール 36(34)65 ※
グーフィス 33(29)70 ※
フィコンパ 30(26)65
ジセレカ 30(3)
パリエット 30(33)60 ※
モビコール 28(23)55 ※
アリセプト 23(36)

※EAファーマ取り扱い製品
注)リリカについては、22年7月に日本における販売提携を終了。
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