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ヤンセン労組 初回メンバーは15人前後 団体交渉申入れ、「ポジションクローズ」の必要性等の説明要求

公開日時 2022/12/14 04:52
ヤンセンファーマが11月に事実上の人員削減となる「ポジションクローズ」を実施すると社内告知したことを受け、同社社員が労働組合「東京管理職ユニオン・ヤンセンファーマ支部」(略称:ヤンセンファーマ従業員労働組合、以下、「ヤンセン労組」)を結成した。きょう12月14日付で会社側に団体交渉を申し入れる。まずは組合員に対する退職勧奨面談を中止し、雇用継続するよう要求する方針。さらに、1月上旬までの実施を求める団体交渉では、「ポジションクローズ」という名の退職勧奨・合意退職に関して、▽具体的な概要、▽経営上の必要性、▽人選の合理性、▽退職勧奨を回避するための経営努力――について説明を求める考えだ。

一般的に、ポジションクローズは社内の特定部門やその役職・仕事がなくなることを指す。外資系企業を中心に組織の最適化のために行われることが多い。会社は、ポジションクローズの対象となった社員を一方的に退職させることはできず、当該社員からの退職の合意取得が必要となる。

ただ、ポジションクローズに際しては、特定社員だけがターゲットにされたり、何度も退職勧奨の面談をされたり、退職強要といった問題が生じることが指摘されている。退職に合意しなかった社員には、これまでの仕事がなくなるため別の仕事が提案されるが、これまでに培ったスキルを活かせるかは不明だ。

東京管理職ユニオンによると、ヤンセン労組の初回メンバーは15人前後で、加入を前向きに検討している社員は12月13日時点で20人以上いることを本誌に明らかにしている。12月下旬にはヤンセン社員らを対象とした労働問題に詳しい弁護士によるウェブ勉強会を実施する予定で、ヤンセン労組への加入者がさらに増える可能性もある。

◎コロナ禍で顧客の行動様式が「大きく変化」、「変化に順応し先を見据えた変革に着手」

一連の労働問題は、ヤンセンの關口修平社長が11月11日に全社員を対象に行った社内ミーティングに端を発する。この場で關口社長が日本法人の一部の部門についてポジションクローズを実施する方針を明言した。しかし、どの部門やポジションがなくなるのか、ポジションをなくす理由は何かといった具体的な説明は示されなかったという。

ヤンセン広報部に事実関係を確認したところ、關口社長の当日の発言要旨は開示していないとした上で、「当社は、革新的な医薬品を日本の患者さんに引き続きご提供するため、経営戦略を見直し、進化のスピードを速める必要があると考えている」とコメント。さらに、「コロナ禍を経て、顧客の期待値や行動様式は大きく変化している」とし、「当社はより効率的かつ効果的に業務を行うため、変化に順応し、先を見据えた変革に着手する。これにより影響を受ける社員については、誠心誠意サポートする」と述べ、ポジションクローズの対象社員は誠心誠意サポートすると強調した。

ヤンセン日本法人の親会社である米国ジョンソン・エンド・ジョンソンのジョセフ・ウォーク最高財務責任者が一部米国メディアの取材(今年10月)に応じ、急速に進んだドル高で売上収益の押し下げ圧力が強まっているとして、「小規模な人員削減に踏み切る」との考えを語っている。今回の日本法人のポジションクローズもこのグローバルの考えに沿ったものとの見方がある。こうした動きはヤンセンに限ったことではない。社会経済情勢の変化に加えて、コロナ禍を経て急速に浸透したデジタルテクノロジーにより、世界的な規模で生産性向上を求めるビジネス変革の動きが加速していることも背景にある。グローバル本社の経営陣のグリップが強まることで、日本だけを特別視することもここ数年で激減したとの声もある。

◎「会社に残っても、働いていただけるところがない」

複数のヤンセン社員によると、ポジションクローズの対象となった社員は、退職に合意するか、会社に残るかを12月15日までに意思表示するよう求められている。会社に残る場合の次の社内での仕事内容やポジションに関する具体的な説明はない模様。このため、「自分だけが人員削減のターゲットになっている」と不安や不平を感じる社員が少なくないとみられる。

50代のMRの事例では、「会社に残っても、社内で働いていただけるところがない」と上長から言われたといい、自身のポジションがなくなる理由などを聞いても「宿題にさせてほしい」、「総合的な判断」と納得できる説明は得られていないという。

なお、合意退職する社員は23年3月31日付で会社都合退職となる。

日本で人員削減する場合、一般的には、▽経営的に人員削減しなければならない状況かどうか、▽削減対象となった人選の合理性、▽人員削減・退職勧奨を回避するための努力(役員報酬ゼロなど)、▽十分な労使協議をしたか――の4要素が検証・確認される。IQVIAによると、ヤンセン日本法人は21年に11%増収を果たすなど好調にみえるが、グローバルでは為替影響で売上収益が目減りしている。ヤンセン労組は今回、団体交渉を通じて、4要素に照らしてポジションクローズの必要性などを確認・協議したい考えだ。
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