辰巳化学の松任第一工場の製造品からごく微量の異物混入が確認された問題で、共和薬品は12月13日、エナラプリルマレイン酸塩細粒 1％「アメル」の一部製造ロットを自主回収（クラスⅡ）すると公表した。製造委託先の辰巳化学から当該製品にテルミサルタンの混入が認められたとの報告を受けて対応した。また、今回の異物混入で辰巳化学が同工場からの出荷を一旦停止したことに伴い、「次回生産まで期間を要する」として当該製品が出荷停止になることも医療関係者に伝達した。

◎共和薬品「テルミサルタンはエナラプリルと併用注意の成分」微量でも安全性否定できない

辰巳化学は12月9日付で、松任第一工場で製造したエナラプリルマレイン酸塩細粒 1％「アメル」のバラ100ｇにテルミサルタンの混入が認められたとして、当該工場からの出荷を一旦停止し、その原因および影響範囲の調査に着手した。同時に、エナラプリルマレイン酸塩細粒 1％「アメル」の製造委託元の共和薬品に異物混入が発覚したことを報告。共和薬品側も、13日になって「テルミサルタンはエナラプリルマレイン酸塩と併用注意の成分であり、極めて微量の混入ではあるが安全性への影響を否定できない」として自主回収することを判断した。

共和薬品によると、「現在までに該当製品出荷数130本の全てについて確認が取れている」として、患者への調剤がされていないことも確認済みであると公表した。また、医療関係者に対し、回収対象製品は、「使用を控えていただき、購入した特約店に返品して欲しい」と呼び掛けている。なお、自主回収する製品は、エナラプリルマレイン酸塩細粒 1%「アメル」（包装：バラ100g）で、製造番号（製造ロット）は2201。使用期限は2025年6月30日。