直近１か月間で２型糖尿病患者を30人以上診ている医師239人に「企業認知度」と「企業の信頼・評価」を聞いたところ、第１位は日本イーライリリー、第２位はノボノルディスクがともにランクされた。また、糖尿病、代謝・内分泌内科領域で製薬企業の評価を向上させる「打ち手」を聞いたところ、患者の治療支援に繋がる資材・アプリなどの提供（アドヒアランス向上、副作用マネジメントなど）や、患者目線の治療効果を重視した医薬品の開発・上市が上位にランクされた。

調査は、エムスリーの提供する会員制サイト「m3.com」に登録する医師パネルを使って、直近１か月間で２型糖尿病患者を30人以上診ている糖尿病・代謝・内分泌内科領域の医師239人から回答を得た。

◎ランキング上位  サノフィ、住友ファーマ、日本ベーリンガー、MSD

「企業認知度」の第１位は日本イーライリリー、第２位はノボノルディスクで、「糖尿病・代謝・内分泌内科に注力していることを知っている」との回答はともに92.1％と高スコアを獲得。「糖尿病・代謝・内分泌内科に 企業名は知っている注力していないが、注力領域を知っている」との回答で、日本イーライリリーが5.0％を獲得したのに対し、ノボノルディスクは4.2％で、僅差ながら日本イーライリリーが第１位に輝いた。第３位はサノフィ、第４位は住友ファーマ、第５位は日本ベーリンガーインゲルハイム、第６位はMSDとなった。　

「企業の信頼・評価」の第１位は、こちらも日本イーライリリーで「とても信頼・評価している」と「信頼・評価している」の回答割合が73.2％を獲得した。第２位はノボノルディスクで同様に72.8％を獲得した。第３位は住友ファーマ、第４位は日本ベーリンガーインゲルハイム、第５位はサノフィ、第６位はMSDと続く。

◎信頼・評価の要因分析　リリーは８項目中４項目　ノボは３項目それぞれ単独１位に

「企業の信頼・評価」の上位６社について要因分析（全８項目）を行った。その結果、日本イーライリリーは、「製造・生産体制が信頼できる」（51.0％）、「情報提供が適切である（質・量・タイミングなど）」（52.7％）、「情報提供や先生方とのコミュニケーションなど、デジタル化を推進・実現している」（34.3％）、「コンプライアンス遵守の意識が高い」（46.9％）―の４項目で第１位を獲得した。

一方、ノボノルディスクは、「医薬品が優れている・高品質である」（70.3％）、「研究開発力が高い（新薬開発力、新技術導入の実績など）」（62.8％）、「企業として安定している（規模・歴史・収益力など）」（58.2％）―の３項目で第１位となった。ただ、上位２社の評価ポイントを見る限り、いずれの項目とも僅差で、むしろ第３位以降の企業との差が開いていることが特徴と言える。

なお、「医療・社会への貢献を志向している（患者さんの重視、学会への支援など）」については上位２社の回答率がともに50.2％で並んだ。