PhRMA会員企業 精神疾患治療薬163剤を開発
公開日時 2023/02/22 04:49
米国研究製薬工業協会(PhRMA)の会員企業は、現在、精神疾患治療薬について合計163剤を開発中(申請済み含む)だ。PhRMAが1月26日発表した報告書「Medicines in Development for Mental Illness 2023 Drug List」(開発中の精神疾患治療薬 2023年薬剤リスト)で報告された。
報告書の概要は以下の通り。
現在開発中の163剤を薬効別に区分すると以下の通り。
▽うつ病治療薬54剤。米国では成人の8.4%、少年(12歳から17歳)の17%がうつ病に罹患している
▽統合失調症治療薬35剤。成人の1%以下が統合失調症に罹患している。
▽不安障害治療薬35剤。成人の3分の1以上が一生涯のうち不安症に罹患するという。
▽薬物乱用障害治療薬33剤。12歳以上の少年および成人の4000万人以上もしくは米国人口の14.5%が2020年には薬物乱用を経験したといわれる。
▽双極性障害治療薬13剤。成人の2.8%、青少年の2.9%は双極性障害に罹患している。
▽ADHD(注意欠陥多動性障害)治療薬8剤。4歳から17歳の小児では11%、13歳から18歳の青少年では8.7%、成人では4.4%がADHDといわれる。
PhRMAは、同協会の最近の患者調査で、精神疾患で保険加入者にもかかわらず、精神疾患治療薬が保険から除外されていたることや、精神疾患が原因で保険給付への理解不足や自己負担への心配を含め十分な治療を受けられないことを懸念するなどの実態が示されたとしている。
このような実態を踏まえ、PhRMAは、精神疾患治療へのアクセス改善を目的に以下を支持すると表明した。
▽精神疾患や薬物乱用障害への偏見をなくし、行動保健の専門家を増強する。
▽精神疾患の管理や保険業務が意図通りに運用されるために必要な包括的な治療サービスへのアクセスを改善する。
▽精神疾患平等法(The Mental Health Parity and Addiction Equity Act: 精神疾患患者および薬物乱用者の平等と保険給付などに関する包括的法律)のより広い施行をする。
▽遠隔医療の適切な活用と拡大、また、患者治療の質を担保するためのセーフガードを確保する。
▽新規の質の医療モデルを通して、治療の調整およびデリバリーを改善する。