Ubieと協和キリン FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の早期発見で協業 適切な受診サポートへ
公開日時 2023/03/02 04:50
AI問診を提供するUbieと協和キリンは2月28日、希少疾患のFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の早期発見で協業すると発表した。生活者向け症状検索エンジン「ユビー」を通じ、くる病・骨軟化症の関連症状のある方に向けて疾患の詳細情報を提供するとともに、協和キリンの疾患情報サイト「くるこつ広場」へのリンクを表示する。これにより関連症状を持つ方が適切な治療に早期にアクセスできる環境を両社でサポートしたい考え。
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症は、低リン血症性くる病・骨軟化症のうち、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)というホルモンの作用が過剰になって起こるという。同疾患は先天性と後天性とに分けられ、先天性の代表であるX染色体連鎖性低リン血症(XLH)は、遺伝的な原因で血中のFGF23が過剰となり、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症を起こす。また後天性疾患として、腫瘍がFGF23を過剰に分泌することで低リン血症を呈する腫瘍性くる病・骨軟化症(TIO)もある。推定発症率はXLHが2万人に1人、TIOが1~5万人に1人。
今回の協業では、両社でFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の情報提供を充実させることで、生活者による疾患への認知向上、早期発見、適切な受診へのサポートなどに寄与することを目指す。
協和キリン常務執行役員の山下武美戦略本部長は、「XLHやTIOは、診断法や治療法が確立されているものの、これらに罹患している患者さんが適切に診断されるまでに時間を要する。これを解決する一助としてUbie社との協業に至った。患者さんのWell-beingへの貢献も併せて検討し、医薬品にとどまらない社会の医療ニーズに応えていきたい」と強調した。