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JCRファーマ ムコ多糖症II型治療薬・イズカーゴ 住友ファーマとコ・プロ契約締結

公開日時 2023/04/07 04:51
JCRファーマと住友ファーマは4月6日、JCRファーマが製造販売しているムコ多糖症II型治療薬・イズカーゴ点滴静注用10mgについて、住友ファーマと共同プロモーション(コ・プロ)する契約を締結したと発表した。コ・プロは4月24日から実施する。なお、製造・販売はこれまで通りJCRファーマが担当する。

住友ファーマは契約一時金を支払う。また、住友ファーマは同剤のプロモーションに伴い、JCRファーマから受領する対価を売上収益に計上する。

同剤はJCRファーマが開発したライソゾーム病の一種であるムコ多糖症II型(ハンター症候群)を対象疾患とする治療薬。JCRファーマが有する血液脳関門通過技術である「J-Brain Cargo」を用い、血液脳関門を通過し、脳実質細胞への直接の作用を発揮する世界初の点滴静注製剤でもある。全身症状だけでなく、中枢神経系症状の改善または進行の抑制が期待できることが特長のひとつとなる。

JCRファーマは同剤を2021年5月から販売している。これまでは主に重症度の高い小児患者を対象にプロモーション活動を展開し、このほど概ねカバーできたことから、次のステップとして既存薬で治療中の患者のうち中枢神経系症状が現状まだ出ていない患者などにアプローチを広げることを決めた。新たな患者層にアプローチするため、ライソゾーム病の一種であるファブリー病治療薬を15年以上手掛けるなどライソゾーム病に対する販売経験が豊富な住友ファーマと組むことが最良と判断した。

住友ファーマは07年2月から22年2月までファブリー病治療薬・リプレガル点滴静注用を販売していた。また、JCRファーマのファブリー病治療薬・アガルシダーゼベータBS点滴静注について、22年3月に販売提携契約を締結し、両社はライソゾーム病領域で協業してきた。

ムコ多糖症II型は、国の指定難病で、小児慢性特定疾病。遺伝子異常により全身の細胞においてライソゾーム内の特定の加水分解酵素が欠損または働きが低下することでムコ多糖(グリコサミノグリカン)が過剰蓄積するX染色体連鎖劣性遺伝性疾患。国内のムコ多糖症の発症頻度は出生10万人当たり1.53人と報告されており、ムコ多糖症II型の発症頻度は出生10万人当たり0.84人(11.9万人に1人)と報告されている。主な症状として関節拘縮や骨変形、肝臓・脾臓の肥大、呼吸障害、弁膜疾患など幅広い症状が挙げられ、特に中枢神経症状が課題となっている。
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