【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

バイタルケーエスケーHD・村井社長 医療周辺ビジネス拡大に意欲「DXが一番大化けするのでは」

公開日時 2023/05/18 04:50
バイタルケーエスケー・ホールディングスの村井泰介代表取締役社長は5月17日、2022年度(23年3月期)決算説明会で、「長期ビジョン2035」を策定したと発表した。医薬品卸売事業の売上高、営業利益が、22年度には全体の94%、83%を占めており、村井社長は「ほぼ一本足打法に近い」と指摘。35年度には、医療周辺ビジネスの売上高、営業利益の構成比を22年度の6%→20%、同17%→40%に引き上げたい考えを示した。「10年のレンジで見ると、卸、薬局事業から患者までのサプライチェーンにDX(デジタルトランスフォーメーション)が入ってきてどう変わるか、ここは一番大化けするのではないかと思っている」との見方も示した。

◎長期ビジョン2035「医薬品卸売事業から健康流通産業へ」 8領域の活動方針

10年構想の長期ビジョン2035では、①物流機能の高度化②医薬品卸売事業の刷新③メディカル関連商材の拡販④ライフサポートの充実⑤レンタル事業の強化⑥薬局事業の拡大⑦行政・自治体との連携⑧コンパニオンアニマルとアグリテック分野の事業拡張―と、8つの領域での活動方針を示している。

このうち、医薬品卸売事業の刷新では「首都圏や京阪神に経営資源を投入していかなければいけないのは確かだが、一方で大事なのは、地方の既存のビジネスをどう統合して、ローコストオペレーションにして効率的な流通体制を維持しつつ、安定供給を続けるかだ。これに挑戦していきたい」とした。

メディカル関連商材の拡販では「治療系の医療機器の市場を取り込むために、病院の治療や医薬品、機器、診断薬等を担当する営業スタッフであるMAPs(Medical Assist Partners)というチームを新設した。薬だけではなく、その前後に目を向けて医療により深くかかわっていく体制を目指しており、今後も充実させていきたい」と述べた。

最近注力しているというレンタル事業については、「福祉用具から始めたが、今や家電製品、医療機関の停電対策のための発電機など、これまでと違った種類の商材を積極的に採用している。最近は医療機関だけでなく、AED(自動体外式除細動器)など自治体や一般企業向けのレンタル事業を拡大した」と説明。「新たな商品やサービスを幅広く提供することに加え、新しい販路も開拓し、医薬品卸売事業から健康流通産業へと進化していきたい」と意欲を示した。

◎22年度売上高は横ばい 新薬創出加算品、新型コロナ関連商品などでカバー

22年度の業績は、売上高は0.4%増の5797億7200万円と横ばいだった。22年10月に一部取引先が自己破産するという特殊要因があった影響で、営業利益は16.1%減の24億7000万円となった。セグメント別に見ると、医薬品卸売事業の売上高は0.3%増の5460億5800万円だった。薬価改定の影響を受けたものの、新薬創出加算品(+213億円)や、治療薬・検査キット・マスクなど新型コロナ関連商品(+73億円)、インフルエンザ・子宮頸がん・帯状疱疹などのワクチン(+20億円)の売上増でカバーした。

23年度の売上高は5760億円と約40億円減を予想。医薬品市場の伸長と医薬外の取り組みの強化、これまで営業外収益に計上していたメーカーからの受取事務手数料を売上高に計上する表示方法の変更などにより120億円程度のプラス効果がある一方、グラクソ・スミスクライン(GSK)との取引がなくなったことや競合卸の入札停止の解除、新型コロナ関連製品の売上減などで160億円程度のマイナスを見込んでいる。営業利益は約22億円増を予想。なお、売上高、営業利益の増減率は、表示方法の変更により示していない。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(2)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー