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NEC、理研、日医大 前立腺がんのビッグデータで「マルチモーダルAI」構築 再発予測の精度10%向上

公開日時 2023/06/14 04:51
NEC、理化学研究所、日本医科大学は6月13日、前立腺がんの医療ビッグデータを多角的に解析するマルチモーダルAIを構築したと発表した。電子カルテとAI技術の融合研究を進める中で、AIが捉えた予測因子の多次元的な最適化を行うことで、既存手法と比べ、手術から5年後までの再発予測の精度を約10%向上することができた。NECなど3者は引き続き対象データを拡大して実用化に向けた検証を行い、治療計画の最適化や疾患の早期発見を目指す方針。

マルチモーダルAIとは、人間の脳のように、さまざまな種類の情報(モーダル)を同時に処理・解析する能力を持った人工知能を指す。従来の人工知能は、テキスト、音声、画像、動画などの単一のデータ形式に特化していたが、マルチモーダルAIは複数のデータ形式を統合して高度な認識や理解を実現する。研究にあたってNECは電子カルテをベースとした各種データを統合するプラットフォーム技術を提供。理化学研究所が開発したマルチモーダルAIを活用し、日本医科大学をはじめとする複数の大学病院の検証データを組み合わせて行った。

今回の研究は、日本人男性に最も多いがんの一つである前立腺がんを対象に、手術前の電子カルテデータや病理生検画像などを用いたマルチモーダルAI解析を実施した。その結果、手術後から再発までの年数によってAIが捉えた予測因子のパターンに違いが見られることが分かった。また、がん再発までの年数によって再発メカニズムが異なる可能性が示唆されたという。さらに、生成系AIに使われる機械学習技術を応用した次元削減の改良や、AIが捉えた予測因子の多次元的な最適化を行うことで、既存手法(Kattan Nomogram:現在広く使用されている前立腺がん予後予測モデル)と比べ、手術から5年後までの再発予測の精度を約10%向上することができた。

NECなど3者は、引き続き各種医療データを多角的に解析する医療AIシステムの実用化を目指す方針。医療AIシステムにより、治療計画の最適化や疾患の早期発見、データの安全な運用が可能となり、治療期間の短縮による医療費の削減や、医療従事者の業務負荷の軽減と効率化が期待されるとして、さらに対象データを拡大し実用化に向けた検証を進める考え。

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