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米FDA 英アストラゼネカと仏サノフィのRSウイルス予防薬Beyfortus幼児用を承認

公開日時 2023/07/24 04:49
米食品医薬品局(FDA)は7月17日、英アストラゼネカと仏サノフィのモノクローナル抗体製剤Beyfortus(nirsevimab-alip)を承認した。適応は、最初(出生後初)のRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)感染症流行期に出生した新生児・乳児および2回目の流行期に入った24か月までの幼児におけるRSVによる下気道感染症予防。同剤は迅速審査の指定がなされていた。

FDA医薬品評価研究センター(CDER)のJohn Farley感染症部長は、「RSウイルスは、幼児や一定の小児に重篤な疾患を引き起こし、毎年救急部や外来受診の多くを占めている」と指摘したうえで、「本日の承認は、小児および家族、ヘルスケアシステムにRSV疾患の影響の低減に役立つ製品に対する大きな必要性に応えるものである」と話した。

アストラゼネカのIskra Reicの上級副社長(ワクチン・免疫療法担当)は、「Beyfortusは、米国の幅広い幼児集団に蔓延するRSウイルスによる重篤な呼吸器疾患の予防に対するパラダイムシフトを象徴するものだ。Beyfortusを作り上げた科学は、最も弱い人口集団のニーズに応え、かつ、ヘルスケアシステムの負担を解決するという面で、アストラゼネカの持続的なリーダーシップを示すものである」とコメントした。

サノフィのThomas Triomphe上級副社長(ワクチン担当)は、同日のBeyfortusの承認が幼児の健康を守るうえで、前例のない瞬間になったと述べたうえで、「すべての幼児に対し最初の流行期に安全かつ有効な防御を提供する受動免疫における承認された唯一のモノクローナル抗体である。私は、この大変革をもたらす可能性のある薬剤を優先することにより我々が同剤を米国の家族に提供できることを誇りに思う」と述べた。

RSウイルスは、全年齢において急性呼吸器感染症を引き起こす。ほとんどの乳幼児では軽症の風邪のような症状を発現するが、肺炎や気管支炎のような下気道疾患を起こし、救急受診などとなっているケースもある。早産児や慢性疾患や先天性心疾患を合併する児では、重症化するリスクがある。

米国小児科学会によると、米国では毎年RSウイルス感染で入院している12か月以下の小児は約1~3%という。米国のほとんどの地域では、通常秋に始まり冬にピークを迎える。

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