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ジャカビの造血幹細胞移植後のGVHDの効能追加など2製品承認へ 薬食審・第一部会で了承

公開日時 2023/07/25 04:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は7月24日、JAK阻害薬・ジャカビ錠に造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD)の適応を追加するなど2製品の承認を了承した。ジャカビは、JAK阻害薬として初めて造血幹細胞移植後のGVHDの適応を持つ薬剤となる。抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤・ソリリス点滴静注への小児用量の追加の承認も了承された。いずれも8月中に正式承認される見込み。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
ジャカビ錠5mg、同10mg(ルキソリチニブリン酸塩、ノバルティスファーマ):「造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

経口JAK阻害薬。造血幹細胞移植における移植片対宿主病(GVHD)は、同種移植後に特有の合併症で、ドナー由来のリンパ球が患者の正常臓器を異物とみなして攻撃することによって起こる。移植関連死の主要な一因として知られる。GVHDの一次治療にはステロイドが使われる。

ジャカビに今回追加する造血幹細胞移植後のGVHDの用法・用量は、「通常、成人及び12歳以上の小児にはルキソリチニブとして1回10mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する」。正式承認されると、ジャカビはJAK阻害薬として初めて造血幹細胞移植後のGVHDの適応を持つ薬剤となる。

ソリリス点滴静注300mg(エクリズマブ(遺伝子組換え)、アレクシオンファーマ):「全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。

抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤。今回追加する全身型重症筋無力症(gMG)に対する小児の用法・用量は、既承認の「非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制」と同様の体重当たりの用法・用量で投与する。

重症筋無力症(MG)は国の指定難病で、神経筋接合部のシナプス後膜上にあるアセチルコリン受容体(AChR)等に対する自己抗体により神経から筋へのシグナル伝達が障害されることで筋力低下が生じると考えられている。筋力低下が全身に及ぶ全身型MG(gMG)は、運動、発語、嚥下、呼吸障害等が認められる。

抗AChR抗体を介したMGの発症には終末補体活性化の関与が示唆されており、ソリリスはC5に結合してその開裂を阻害し、終末補体活性化を抑制することで、抗AChR抗体陽性のgMGに対して効力を発揮することが期待されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

リツキサン点滴静注100mg、同500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「既存治療で効果不十分なループス腎炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済み公知申請。再審査期間なし。

日本リウマチ学会が厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に同剤のループス腎炎に対する開発要望を提出。同会議からの要請をうけて日本リウマチ学会は、日本腎臓学会、日本小児リウマチ学会、日本小児腎臓病学会との連携のもと、ループス腎炎に対するリツキシマブの使用方法、有効性、安全性を確認する目的で国内使用実態調査を実施し、さらにこれら4学会合同ステートメントを作成のうえ、公知申請による早期承認を訴えた。

そして23年2月15日開催の検討会議で公知申請が妥当と判断され、同年3月3日の薬食審・医薬品第一部会で公知申請に係わる事前評価が完了していた。
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