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第一三共の国産新型コロナワクチン「ダイチロナ筋注」など6製品承認へ 薬食審・第二部会

公開日時 2023/08/01 04:50
厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会は7月31日、第一三共の新型コロナワクチン・ダイチロナ筋注など7製品の承認可否を審議し、ダイチロナを含む6製品を承認することを了承した。ダイチロナはmRNAワクチンで、国産新型コロナワクチンの第一号となる。同省は「近日中に承認する」としている。このほかに承認が了承された製品には、中外製薬の乳がんや結腸・直腸がんを対象疾患とするパージェタとハーセプチンの配合皮下注製剤・フェスゴなどがある。

◎塩野義製薬の新型コロナワクチンは継続審議に 「有効性を明確に説明することが難しい」

一方で、塩野義製薬の新型コロナワクチン・コブゴーズ筋注の承認可否も審議したが、「現在までに評価された臨床試験成績のみでは、本ワクチンの有効性を明確に説明することが難しい」と判断され、継続審議となった。

コブゴーズの承認申請に用いた臨床試験は、初回免疫の対照薬はバキスゼブリア、追加免疫の対照薬はコミナティで、これらと中和抗体価を比較することでコブゴーズの有効性を評価する試験だった。厚労省によると、この日の部会では、「対照薬の中和抗体価の値が通常想定される値よりも相当程度低い」との議論があり、コブゴーズの有効性の評価が困難との結論に至った。今回の申請資料の中に参考資料として提出されている臨床試験成績などに基づき、改めて評価することになった。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
ダイチロナ筋注(コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNA ワクチン、第一三共):「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。優先審査品目。再審査期間は8年。

国産mRNAワクチン。承認されれば国産初の新型コロナワクチンとなる。今回は18歳以上の追加免疫用。用法・用量は、「追加免疫として、1回0.6mLを筋肉内に接種する」。接種間隔は、「通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも6カ月経過した後に接種することができる」。主な副反応として注射部位疼痛、倦怠感、頭痛、発熱が挙げられるが、ほとんどが軽度又は中等度で回復性が認められている。

今回は起源株を用いたワクチンだが、第一三共は承認取得後にオミクロン株対応ワクチンなどの一変申請を行い、適応追加していく方針。自社創製品で、冷蔵温度帯(2~8度)で流通可能なことが特長のひとつ。生産は埼玉県北本市のグループ会社の工場で行う予定。

クイントバック水性懸濁注射用(沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン、KMバイオロジクス):「百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎及びインフルエンザ菌b型による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。再審査期間は8年。

百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)による感染症を予防する5種混合ワクチン。初回免疫は小児に通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも20日以上の間隔をおいて皮下又は筋肉内に接種する。追加免疫は初回免疫後6カ月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下又は筋肉内に接種する。 

小児期における予防接種回数の削減につながり、小児や家族の負担軽減が期待されている。承認されると、5種混合ワクチンは、阪大微生物研究会が23年3月に承認を取得したゴービックに続き2剤目となる。

アレモ皮下注15mg、同皮下注60mg、同皮下注150mg、同皮下注300mg(コンシズマブ(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

抗TFPI(組織因子経路インヒビター)モノクローナル抗体。インヒビターを保有するあらゆるタイプの血友病に対し、1日1回の皮下投与で出血を予防する薬剤として開発された。22年度血液凝固異常症全国調査において、国内のFVIII又はFIXに対するインヒビターを保有する血友病患者は、合計105例と報告されている(血友病A:90例、血友病B:15例)。

フェスゴ配合皮下注MA、同配合皮下注IN(ペルツズマブ(遺伝子組換え)・トラスツズマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、中外製薬):「HER2陽性の乳がん、がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。再審査期間は6年。

抗HER2ヒト化モノクローナル抗体のペルツズマブとトラスツズマブの固定用量による配合皮下注製剤。パージェタおよびハーセプチンに含まれるモノクローナル抗体とボルヒアルロニダーゼ アルファ(rHuPH20)の溶液が1本のバイアル中に含まれ、固定用量による投与ができる。

本剤は、rHuPH20によりヒアルロン酸が加水分解され、皮下組織における浸透性が増加することで、拡散吸収されたパージェタとハーセプチンがHER2 を発現する腫瘍細胞に対して、それぞれADCC活性を誘導することなどにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。

エンハーツ点滴静注用100mg(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)、第一三共):「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

抗HER2抗体薬物複合体(ADC)。国内の肺がんの総患者数32万8000人のうち、非小細胞肺がん(NSCLC)患者の割合は約85%と報告されていること、及びHER2遺伝子変異を有する患者はNSCLC患者の約3%と報告されていることから、HER2遺伝子変異陽性のNSCLC患者数は約8400人(32万8000人×0.85×0.03)と推測される。

承認されると、20年3月に承認を取得したHER2陽性乳がん(3次治療)、同年9月のHER2陽性胃がん、22年11月のHER2陽性乳がん(2次治療)、23年3月のHER2低発現乳がんに続く適応拡大となる。

シュンレンカ皮下注463.5mg、同錠300mg(レナカパビルナトリウム、ギリアド・サイエンシズ):「多剤耐性HIV-1感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

長期作用型カプシド阻害薬。既存の薬剤と異なり、ウイルスDNAの核内輸送や複製されたウイルスの集合及び放出等のウイルス複製に重要なHIV-1カプシドの機能を阻害することで抗ウイルス活性を示す。他の抗HIV薬との併用下で、シュンレンカ経口剤投与による2週間(3回)の負荷投与による本薬の曝露量の確保及び忍容性の確認後、シュンレンカ皮下注剤を6カ月ごとに投与する抗レトロウイルス療法に用いる薬剤。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

リムパーザ錠100mg、同錠150mg(オラパリブ、アストラゼネカ):「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2026年1月18日まで)。

PARP阻害薬。既承認の「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」について今回、併用時の用量を追加する。具体的には、「通常、成人にはオラパリブとして1回300mgを1日2回、経口投与する。他の薬剤と併用する場合は、アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンと併用すること。なお、患者の状態により適宜減量する」。

ルミセフ皮下注210mgシリンジ(ブロダルマブ(遺伝子組換え)、協和キリン):「既存治療で効果不十分な掌蹠膿疱症」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余期間(2024年7月3日)。

ヒト型抗ヒトIL-17受容体Aモノクローナル抗体。掌蹠膿疱症は、掌蹠(手のひらや足の裏)に無菌性の水疱や膿疱(膿をもった水ぶくれ)が繰り返し生じる難治性の皮膚疾患。ルミセフは既存治療で効果十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎――の6つ適応を持ち、掌蹠膿疱症は7つ目となる。

▽①ペグフィルグラスチムBS皮下注3.6mg「モチダ」②ペグフィルグラスチムBS皮下注 3.6mg「ニプロ」(ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)[ペグフィルグラスチム後続1]、①持田製薬②持田製薬販売):「がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間なし。

承認されれば、ジーラスタのバイオ後続品は国内初となる。

ウステキヌマブBS皮下注45mgシリンジ「F」(ウステキヌマブ(遺伝子組換え)[ウステキヌマブ後続1]、富士製薬):「既存治療で効果不十分な下記疾患:尋常性乾癬、関節症性乾癬」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間なし。

承認されれば、ステラーラのバイオ後続品は国内初となる。

FDGスキャン注(フルデオキシグルコース(18 F)、日本メジフィジックス):「悪性腫瘍の診断(○胸膜中皮腫、食道がん、胃がん、消化管間質腫瘍、肝がん、胆道がん、膵がん、膀胱がん、腎盂・尿管がん、子宮がん、卵巣がん、骨軟部腫瘍、皮膚がん(他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合)の診断、○胸腺腫瘍、腎がん、精巣腫瘍、甲状腺がん(他の検査、画像診断により転移・再発の診断が確定できない場合)の診断、○多発性骨髄腫が疑われる又は多発性骨髄腫患者における骨病変又は髄外病変の可視化(他の検査、画像診断により骨病変又は髄外病変の存在が疑われる場合))、心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化」を効能・効果とする新効能医薬品。公知申請。

スパイクバックス筋注(コロナウイルス(SARS- CoV-2)RNAワクチン、モデルナ・ジャパン):「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2029年5月20日まで)。

1価ワクチン(起源株)の6歳~11歳の初回免疫、また、2価ワクチン(起源株/オミクロン株BA.1および起源株/オミクロン株BA.4-5)の6歳~11歳の追加免疫の用量が追加される。

▽①コミナティRTU筋注②同RTU筋注1人用③同筋注5~11歳用④同筋注6ヵ月~4歳用(コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン、ファイザー):「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。再審査期間は残余期間(2029年2月13日まで)。

2価ワクチン(起源株/オミクロン株BA.4-5)について、生後6カ月以上の全年齢層における初回免疫、生後6カ月~4歳における追加免疫の用量の追加がされる。現在は5歳以上の追加免疫での使用で承認されている。
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