インフルエンザ 9月の患者数は推計約57万人 22-23年シーズンのピーク時に迫る勢い
公開日時 2023/10/16 04:50
9月にインフルエンザの新シーズン(2023-24年シーズン)を迎えた。前シーズン(22-23年)の流行が収まることなく23-24年シーズンに突入したが、初月となる9月の経口インフルエンザ治療薬の推計処方患者数は約57.4万人にのぼることがわかった。3年ぶりに流行がみられた前シーズンのピーク時である約76万人に匹敵する規模感で新シーズンの流行が始まった。
コロナ禍前3年(17~19年)の9月の平均患者数は約3万4000人だったため、今年9月はコロナ禍前の同月と比べて約17倍の患者がいることになる。
この調査・分析を実施したインテージリアルワールド社は、ピーク時の患者数は例年数百万人となるため、それと比べると今年9月の患者数はまだ少ないと指摘した。ただ、「23年は記録的な猛暑となり、9月も全国的に気温の高い日が続いていた中での感染者増となるため、これから寒くなり本格的な流行シーズンに入るとどの程度感染者数が増えるのか大変気になるところ」とコメントし、今後も注視していく考えを示した。
今回の分析結果は、医療情報分析サービスを手掛けるインテージリアルワールドが独自に運用する統合医療データベース「Cross Fact」のデータを基にまとめたもの。分析対象の抗インフルエンザ薬は、院外調剤薬局で調剤可能なオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビルとなる。
インフルエンザは例年、秋から冬にかけて患者数が増加して初夏に落ち着き、毎年第36週(9月頭頃)に新シーズンが始まる。前シーズンは季節に関係なく感染する患者が一定数おり、流行が収まることはなかった
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