24年度薬価改革に製薬団体が声明 「ドラッグ・ラグ/ロス解消へ重要な一歩」 改革影響の検証に貢献
公開日時 2023/12/21 04:50
中医協総会で2024年度薬価制度改革、費用対効果評価制度改革の骨子が取りまとめられたことを踏まえ、日本製薬団体連合会(日薬連)、日本製薬工業協会(製薬協)・米国研究製薬工業協会(PhRMA)・欧州製薬団体連合会(EFPIA)、日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は12月20日、声明を発表した。
【日本製薬団体連合会】
新薬のイノベーション評価については、「ドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス解消に資するものであり、今後の日本への革新的新薬の早期導入において極めて 大きな意義を持つと考える。当連合会としましてもこれらの薬価制度改革が新薬の開発動向に与える影響の検証にしっかりと貢献する」とした。一方、後発品の企業指標の試行的な導入については、「少量多品目生産や流通慣行といった産業構造上の課題や医薬品の安定供給不安の抜本的解決に向けた大きな一歩となることが期待される」とした。不採算品再算定や基礎的医薬品の見直しについては、「必要な医薬品を必要な患者様に確実にお届けすべく、引き続き増産対応をはじめ足元の供給課題の一刻も早い解決に向けて真摯に取り組む」とした。
そのうえで、「今後の薬価制度改革の議論においては、医薬品のカテゴリーに応じた薬価制度の構築に向け、薬価改定のあり方を含め検討を進める必要があると考える。新薬の価値を適切に評価する仕組みや薬価収載後一定期間が経過した医薬品の医療上の必要性を評価する仕組みなどについても検討を進める必要がある」としている。
【日本製薬工業協会(製薬協)・米国研究製薬工業協会(PhRMA)・欧州製薬団体連合会(EFPIA)】
薬価制度改革骨子で、迅速導入加算や新薬創出等加算の企業指標の撤廃、市場拡大再算定の共連れルールの取り扱い見直しなどが盛り込まれたことから、「イノベーションの評価・促進という製薬業界のこれまでの主張を踏まえていただいたものと認識している。ドラッグ・ラグ/ロスを解消するための重要な一歩を踏み出したものであると考えている。そして、日本が患者さんの新薬へのアクセスの改善を可能とするイノベーション重視の国に変貌を遂げる始まりに位置付けられると受け止めている。様々な立場からご尽力いただいた皆様に敬意を表す」とした。
また、費用対効果評価制度改革骨子については、市場規模の大きい新薬で価格調整範囲の拡大が検討されていることに触れ、「イノベーションを阻害しない適切な制度の検討が必要であるため、引き続き行われる議論の中で訴えていきたい」としている。
「今後の薬価制度改革及び費用対効果評価制度改革に関する議論に積極的に参画するとともに、今回の制度見直しの検証に協力してまいる所存だ」としている。
【日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)】
「私どもの要望を反映いただいたものであり、現在のジェネリック医薬品を中心とした安定供給不安を解消し、ジェネリック医薬品企業の産業構造の転換の第一歩ともなるものと感謝を申し上げる」と表明。「企業指標について公開すべき項目の情報の公表を速やかに行う。また、企業指標の評価結果の薬価制度における取り扱いの影響を今後検証していくこととなっていることから、業界としても積極的に協力してまいる所存だ。そして、現下の課題である安定供給確保への取り組みをより一層推進する」としている。
議論の中で供給不安や不祥事をはじめ、業界団体としての姿勢のあり方について指摘があったことに触れ、「これらのご発言を中医協の総意として真摯に受け止め、当協会として、ジェネリック医薬品の信頼回復に向けた取組みをより一層進め、患者様及び医療関係者の皆様に「安心」して使用いただけるジェネリック医薬品の安定的な供給に向けて取り組んでまいる所存だ」としている。