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24年度診療報酬改定 急性期の機能分化推進へ 急性期一般入院料1の平均在院日数「16日」に短縮

公開日時 2024/02/01 04:53
中医協総会は1月31日、2024年度診療報酬改定に向けて診療・支払各側で意見の隔たりの大きかった、看護配置7対1の急性期一般入院料1の平均在院日数を「18日以内」から「16日以内」に見直すことを公益裁定により決定した。あわせて、「重症度、医療・看護必要度」も急性期一般入院料1ではB項目を廃止するなど見直す。24年度改定では、軽症・中等症の高齢の救急患者が増加する中で、看護配置10対1の「地域包括医療病棟」が新設される。急性期入院基本料1を算定する医療機関には、より専門的な急性期治療が必要な患者の集約化を進める考え。2025年が目前に迫る中で、医療機能の分化・強化、連携を強力に推進する。

◎急性期一般入院料1 重症度、医療看護必要度はB項目を廃止 公益裁定で決着

公益裁定では、平均在院日数の基準は「16 日以内」とした上で、急性期一般入院料1については重症度・医療看護必要度について「B項目(患者の状況等)」(該当基準:A2点以上かつB3点以上)を廃止。A項目の「創傷処置」、「呼吸ケア」を現行の必要度における評価対象となる診療行為が実施されている場合に評価対象とするなどの見直しを行う。A項目の「救急搬送後の入院、緊急に入院を必要とする状態」の評価日数を2日に、A項目の「抗悪性腫瘍剤の使用 注射剤のみ」を入院での使用率が60%未満のものは対象薬剤から除外したうえで得点3とするなど見直す。

該当基準割合は、「①:「A3点以上」又は「C1点以上」に該当する患者の割合(20%)」、「②:「A2点以上」又は「C1点以上」に該当する患者の割合(27%)」-の両方を満たす必要があるとした。

◎公益委員 前回改定で急性期病床増加 将来の医療ニーズ踏まえ「該当患者割合は一定程度高く」

公益委員は、「患者の状態に応じた適切な入院料が選択され、医療資源が適切に配分されるよう、地域医療に配慮しつつも、急性期一般入院料1から他の入院料への転換を含めた、 適切な機能分化が促される取組を進めることは重要だ」と表明。「今回の診療報酬改定におい て後期高齢者の中等症の急性疾患ニーズに応える地域包括医療病棟が新設されること、入院基本料の見直しが見込まれていること、及び前回改定における重症度、医療・看護必要度の見直しにおいて、一定程度の医療機関が基準を満たさなくなることが想定されていたにもかかわらず、実際には急性期一般入院料1の病床数は増加したことを考慮すると、今回の改定においては該当患者割合の基準を一定程度高く設定することが、将来の医療ニーズ及び人口構成の変化を踏まえ、入院患者の状態に応じて適切に医療資源を投入する体制の構築を進めるに当たり重要と考えられる」として、最終的に決定した。

◎支払側・松本委員「入院医療を患者の状態と医療資源の投入量に見合った評価に」

この日の中医協総会でも、診療・支払各側の意見は対立した。

支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「特に急性期病床については、2022年度病床機能報告によれば、日本全体で必要病床数を2割程度上回る想定であり、地域ごとに見ても大半の構想区域で急性期病床が必要より多い状況にある。人口構造や医療ニーズを踏まえれば、入院医療のあり方を、これまで以上に患者の状態と医療資源の投入量に見合った評価にすることが、地域医療構想に沿った急性期病床の適切な集約につながる」と表明。急性期一般入院料1の平均在院日数を「14日以内」に短縮し、重症度、医療・看護必要度については最も厳しい案を採用し、該当患者割合もさらに引き上げるべきと主張した。

◎診療側・長島委員 厳格化で「これまでと次元の異なる深刻な打撃を与える

一方、診療側の長島公之委員(日本医師会常任理事)は、重症度・医療看護必要度の見直しについて、「個々の患者さんの状態に応じた適切な医療を提供するために必要な現場の裁量を狭め、実際の重症度の評価と乖離してしまうことも懸念される」として、平均在院日数は18日から変更せず、重症度・医療看護必要度も「最も影響の小さい案よりも、さらに影響の小さい見直しを検討すべき」と主張した。

重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の基準についても、「これまでの改定とは次元が異なる深刻な打撃を急性期病棟に与えることが憂慮される」と強調した。診療報酬は全国一律であることから、地域によっては大きな影響が出る可能性を指摘。「地域の急性期入院医療をギリギリの低空飛行で支えてきた全国各地の病院へ、さらに重荷を背負わせて墜落させてはならない。地域の病院機能そのものが損なわれたり、大きく上回ったりすることになれば、医療機能の分化や医療・介護の連携もその母体を失い、かえって進まなくなる」と述べた。

診療側の太田圭洋委員(日本医療法人協会副会長)は、いわゆる7対1病床が減らなかった理由について、「地域で適切な病院医療を患者に提供するために現場が必要としていたからだ」との見方を表明。「見直しにおいては、地域の入院医療提供体制の維持に、できる限り大きな影響を与えないよう、地域における病院医療提供体制に取り返しのつかない結果を及ぼさないよう、できる限り影響が大きくならないまた、カットオフ値を設定すべきだ」と強調した。

一方、支払側は全員が松本委員の意見に賛同。患者代表で支払側の高町晃司委員(日本労働組合総連合会「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も「患者の立場から患者が納得のできる効率の効率的な医療を達成するためには急性期病棟の機能分化は必要なことだと考えている」と述べた。これに対し、診療側の池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)が「患者さんにも大きな迷惑かけます。患者代表の方が賛成したことは、ちょっと信じられない。現実にそういうことが起きることを我々責任取れるのか」と反発した。

◎支払側・松本委員 医療機関の行動はデータに表れている「現実をしっかり受け止めて」

これに対し、支払側の松本委員は、一向に7対1病床の削減が進まない現状に触れ、「皆様方のお仲間がこう行動されているから、こういう数字が出てきている。大多数の方はこうやって動いていらっしゃるという現実はしっかり受け止めていただきたい」と釘を刺した。

「地域医療構想の議論に関しては医療関係の方がしっかり入っているはずだが、実現に向かっていない。日本全体で進めましょうという議論の結果であり、病床機能報告がそこに進んでいないというこれはファクトだ。なぜ向かわないのかという説明をいただく必要がある」と続けた。現状維持を求める診療側に「現状維持にしたら、地域医療構想で求めるものが実現するというご理解だということでよろしいんですね」と釘を刺す場面もあった。

中医協の小塩隆士会長は、「1号側(支払側)・2号側(診療側)委員の意見の隔たりが非常に大きく、このまま議論を続けても、なかなか合意には至らないのではないか」と述べ、最終的に公益裁定に至った。

◎診療側・長島委員 公益委員に苦言「個人ではなく、あくまで中立的な立場で」

診療・支払各側ともに公益委員の取りまとめを了承したが、議論が大詰めを迎えても一部公益委員から発言があったことなどに、診療側の長島委員が反発。「今後の中医協における審議の質を高めるために、改めて公益委員は個人ではなく、広域を代表する委員であり、あくまでも中立的な立場で、支払側委員と診療側委員を調整し、裁定を行う役割を担っているということをしっかりご自覚いただいた上で、発言していただきたい」と苦言を呈した。また、「公益裁定の持つ重大性として、裁定結果を元にする改定が、地域医療に与える影響については、その決定を行った者が責任を負うことになるというご自覚も持っていただきたい」と釘を刺した。
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