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エーザイ・内藤景介常務 レカネマブの国内浸透に手応え 累計投与患者数は100人、24年度末に7000人に

公開日時 2024/02/07 05:01
エーザイの内藤景介常務執行役グローバルADオフィサーは2月6日の2023年度第3四半期決算会見で、23年12月20日に発売したアルツハイマー病治療薬・レカネマブ(製品名:レケンビ)について、国内の投与患者数が約100人(2月5日時点)であることを明らかにした。3月までに投与を予定する患者数も約300人おり、累計投与患者数は23年度末で400人、24年度末で7000人にのぼると見通す。内藤常務執行役は、「最適使用推進ガイドラインがある中、診断・治療パスウェイの構築に時間がかかりつつも、着実に進んでいる」と手応えを強調した。

◎国内情報提供活動は専門MR56人中心に総勢852人体制 オンコロジーMRも対応

レカネマブの国内での情報提供体制については、認知症領域専門のMR56人(エーザイ41人、バイオジェン15人)を核に「トップKOLに面談し、レケンビの全般情報提供を中心に、受診・診断のペイシェント・ジャーニー・パスウェイの構築を進めている。診断・治療パスウェイづくりを地域で担う地域連携MRおよびメディカルを含め、総勢852名で全方位にアプローチしている」と説明する。さらに、「オンコロジーMRも放射線科医師に医療資源の最大化という観点でも訪問対応している。また、色々なステークホルダーの方に対応できるように、面談やメールの対応をデータベース化し、解析して次のアクションにつなげるというアプローチも行い、市場への理解を深めて情報提供体制を整えている」と語った。

副作用のアミロイド関連画像異常(ARIA)への対応が求められることから、最適使用推進ガイドラインで「製造販売業者が提供する ARIA に関する MRI 読影の研修を受講していること」が施設要件・医師要件とされているが、すでに医師約3000人が受講しており、投与に携わった医師は約40人に上ることも紹介した。

◎市場浸透へ地域連携の仕組み構築急ぐ 今年度中に約800施設でパスウェイ構築

市場浸透に向けて、地域の実状に応じた「最適な診断・治療パスウェイ」の構築がカギを握るとの考えも表明。特に、投与開始6か月以降は、アミロイドPETや脳脊髄液(CSF)検査によるAβ検査を行い初期導入した施設以外でも投与が可能になる。このため、「地域連携が重要になってくる。フォローアップ施設のパスウェイの構築もそれぞれの地域に応じた形で構築を支援して参りたい」と話した。内藤常務執行役は、「それぞれの地域の違いに目を向け、連携し、今年度中に約800施設での診断・治療パスウェイ構築完了を推進していきたい」と意欲をみせた。

◎中長期の成長へ「プレクリニカルAD」に期待 血液バイオマーカー普及がカギ

米国では累計投与患者数2000人(1月26日時点)に達し、現時点での待機患者数は医師とのコミュニケーションベースで、投与患者数の「約4倍相当」になるとの見通しを示した。

同剤の中長期的な成長に向けて、認知機能障害などアルツハイマー病の症状が現れる前段階に当たる「プレクリニカルアルツハイマー病(AD)」への適応拡大にも期待を寄せた。プレクリニカルADは世界に3億1500万人と推計されており、マーケットへのインパクトも大きい。内藤常務取締役は、現在の適応よりもさらに早期段階であることから、「症状がさらに見えづらい」と指摘。そのため、「血液バイオマーカーによる簡易なAβ検査の普及が非常に重要なポイントになる。逆に言えば、しっかり血液バイオマーカーが普及すれば、より多くのプレクリニカルADの患者様がレカネマブで治療が可能な時代がやってくる」と期待感を示した。
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