日本新薬は４月４日、英国MiNA Therapeutics社と中枢神経疾患領域の難病・希少疾患への適応が期待できる核酸医薬の創製を目的として研究提携契約を締結したと発表した。日本新薬は、MiNA社独自の小分子活性化RNA（RNAa、標的となる遺伝子の転写を上昇させる核酸）の創製技術を用いて作製した核酸配列の提供を受け、中枢神経領域における核酸医薬の創製を目指す。

日本新薬は契約一時金や研究開発の進捗に伴うマイルストーンを支払い、提携から生まれた医薬候補品を独占的に研究開発するためのオプションを行使することができる。オプション行使後は開発の進捗や製品上市後の売上に応じたマイルストーン及びロイヤルティを支払う。

RNAaは二本鎖のRNAで、標的遺伝子のゲノム配列近傍に結合し、染色体構造を緩めて転写活性化因子を動員することで標的遺伝子の転写を活性化させる。様々な遺伝子においてRNAaによる活性化が確認されており、一般的に1.2～15倍の遺伝子発現上昇が得られているとされる。このような性質から機能喪失型遺伝子疾患の新たな治療薬になると考えられている。

MiNA社はRNAa開発の世界的リーダー。RNAa治療薬は、遺伝子活性化の生来のメカニズムを利用して遺伝子の正常な機能を回復または増強し、それによって細胞内のタンパク質調節経路を回復または増強できる革新的な新クラスの医薬品。同社は独自の新薬パイプラインを進展させている一方、大手製薬企業と協力して自社の技術プラットフォームを幅広い治療分野に適用している。