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中外製薬 バビースモで「網膜色素線条」の効能追加、25年に申請へ 国内P3で主要評価項目達成

公開日時 2024/04/16 04:51
中外製薬は4月15日、眼科用VEGF/Ang-2阻害薬・バビースモ硝子体内注射液について、新生血管を伴う網膜色素線条を対象疾患とする国内第3相臨床試験(NIHONBASHI試験)で主要評価項目を達成したと発表した。2025年中の承認申請に向け準備を進める。網膜色素線条は、国内で承認された治療薬がない希少疾病。

NIHONBASHI試験は、新生血管を伴う網膜色素線条患者を対象に、バビースモの有効性と安全性を評価した多施設共同単群国内第3相臨床試験。本試験に24人が登録された。主要評価項目は、12週時点のベースラインからの最高矯正視力(BCVA、メガネ等で矯正した場合を含め、視力表の文字を読む際に達成可能な最高の状態における視力)スコアの平均変化量。同社は、「主要評価項目を達成し、12週時点において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある視力改善を確認した」としている。忍容性は「概ね良好」で、新たな安全性上の懸念は示されなかったという。

本試験の成績はPMDAに提出を予定しており、今後の医学系学会で発表する予定だとしている。

同社の奥田修代表取締役社長CEOは、「本疾患を対象にした試験において、バビースモが日本人で初めて良好な視力改善を示したことを大変嬉しく思う」とし、「一日でも早く患者さんにお届けできるよう、日本での承認申請に向けて尽力する」とコメントした。

網膜色素線条は網膜の一部が断裂し、眼底に特徴的な線状の色調変化(色素線条)がみられる疾患。無症状であることが多いが、眼底の中央の黄斑部に脈絡膜新生血管が及ぶと視力低下やゆがみなどの症状が出現する。新生血管を伴う場合は予後不良。従来の手術やレーザー等の治療では十分な効果を得ることが難しく、新たな治療薬が求められている。国内患者数は明らかにはなっておらず、網膜色素線条を約半数で合併すると知られている指定難病の弾性線維性仮性黄色腫の患者数は約300人。
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