日本新薬 PAH治療薬・ウプトラビで小児用量の追加を一変申請 小児用製剤も
公開日時 2024/04/17 04:50
日本新薬は4月16日、自社創製品の肺動脈性肺高血圧症(PAH)/慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬・ウプトラビ錠0.2mg、同錠0.4mgについて、小児PAHの用法・用量を追加する一変申請を行ったと発表した。併せて小児用0.05mg製剤の新規承認申請も行った。
PAHは、心臓から肺へ血液を送る肺動脈の血圧が何らかの原因で異常に上昇する予後不良の疾患。原因不明な特発性PAH、遺伝性PAHおよび各種疾患(結合組織病、先天性心疾患等)に伴うPAHなどに分類される。
成人と小児でPAHの病態は類似しており、プロスタサイクリン系薬剤、エンドセリン受容体拮抗薬、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬など、作用機序の異なる治療薬の併用が推奨されている。しかし、小児PAHに対して国内で使用可能な薬剤は限られており、特にプロスタサイクリン系薬剤では静脈内持続投与を必要とする注射剤のみであることから、同作用機序の経口剤が求められている。
ウプトラビは、プロスタサイクリン系薬剤の中でもプロスタサイクリン受容体(IP受容体)への選択性が高い経口IP受容体作動薬。血管平滑筋細胞のIP受容体に結合してcAMP産生を増加させ、血管拡張作用および血管平滑筋増殖抑制作用を介して肺動脈圧を低下させると考えられている。
日本新薬は、「PAHに苦しむ小児患者さんの新たな治療選択肢として、本剤および本小児用製剤を一日でも早くお届けできるよう、さらなる努力を続けていく」としている。