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日薬連・田前リーダー 原薬の国産化で「政府の買取り」などPull型支援訴え 高薬価がビジネス上の課題

公開日時 2024/04/23 04:53
日薬連国内生産確保プロジェクトの田前雅也リーダー(Meiji Seikaファルマ執行役員)は4月22日開催のヘルスケア関連産業シンポジウムで講演し、原薬の国産化に向けて、政府が買い取り安く払い下げるなど“プル型支援”を訴えた。田前氏は、「一番の問題は、国産化した原薬は出荷先が日本だけということもあって、非常に高額になること」と説明。「医療保険上で薬価が高いものが選択されることはなかなか想定しにくい」と述べ、国の支援がなければビジネス上の継続が難しいと指摘した。新型コロナをきっかけに経済安全保障の重要性が指摘される中で、中国など海外に依存度の高い抗菌薬の国産化が方向性として示されているが、ビジネスの継続性をめぐる課題が残されている状況にある。

経済安全保障推進法では、抗菌性物質製剤を特定重要物質の一つに指定。セファゾリンなどβラクタム系抗菌薬について、22年度厚労省第2次補正予算に抗菌薬原薬国産化事業として553億円を計上し、製薬企業等が行う原薬製造設備の構築に50%の助成を行うことを決定した。これにより、国内需要量の全量を国内製造可能な体制を整える計画で、海外原材料の供給が途絶えた場合にも、必要量を医療現場に切れ目なく供給する姿を描く。田前氏は、「既に弊社(Meiji Seikaファルマ)もペニシリン系薬剤の国産化のための設備投資を開始しており、2025年度中に出発物質の6-APAを国産化、28年までに原薬、30年までに製剤に適用する前提で計画を進めている」と明かした。

◎「一番の問題は国産化原薬の出荷先が日本だけということで単価が高くなる」

田前氏は、「国産化原薬の製造設備について手当して頂いたが、一番の問題は国産化原薬の出荷先が日本だけということで、(中国製原薬に比べて)どうしても単価が高くなる」と指摘。国産βラクタム系抗菌薬は、中国製と比べて5~8倍前後の原価となることが想定されるとして、「高価な国産化原薬をどういう形で経済的にペイするよう対処していただくかは課題だ」と問題提起。そのうえで、「政府が買い取って安く払い下げる考えもあるし、薬価で面倒みるやり方もある」と述べ、政府との対話を通じて解決策を見出す姿勢を示した。

また、米国や欧州も中国に原薬を依存している状況に触れ、外交を通じて協定を結び、相互補完することも提案した。例えば、抗菌薬は日本、麻酔薬は米国などと決め、原薬を輸入してまとめて製造するころで、「生産数量が一気に増えて原価も下がる」などと提案した。

◎厚労省・水谷課長「我々として課題意識を持ちながら、どう対応できるか考えたい」

厚労省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の水谷忠由課長は、「国産原薬と海外産原薬とで価格は当然異なる。国産原薬を用いたら採算が取れないということでは、そもそも普段からそれがうまくワークしない。(国産化原薬が)国内市場で選ばれるようにしなければならない」と述べ、「我々として課題意識を持ちながら、どういう対応ができるか考えていきたいと思う」と応じた。

「すべての医薬品を国産にすることは現実的ではない。サプライチェーンをメーカーの努力の中で、複数ソース化(ダブルソース化)する中で、レジリエンスのある仕組みにしていく。そうした努力をこれまでもお願いしているし、これからもお願いしていきたい」とも述べた。
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