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BTK阻害薬・ジャイパーカなど新薬4製品を審議へ 5月9日の医薬品第二部会で

公開日時 2024/04/26 04:50
厚生労働省は5月9日に薬事審議会・医薬品第二部会を開き、日本イーライリリーの再発・難治性マントル細胞リンパ腫治療薬・ジャイパーカ錠(一般名:ピルトブルチニブ)など、新薬4製品の承認の可否を審議する。この中には、富士フイルム富山化学の抗インフル薬・アビガン錠の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症」の効能追加が含まれる。

報告予定品目はMSDのキイトルーダ点滴静注の胆道がんの効能追加など4製品。第二部会を通過した場合、効能追加などは5月中、新有効成分含有医薬品など薬価収載が必要な品目は6月の正式承認が見込まれる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(ピルトブルチニブ、日本イーライリリー):「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。海外では、マントル細胞リンパ腫の適応で23年1月に米国、同年10月に欧州で承認されている。国内でBTK阻害剤としては、ヤンセンファーマのイムブルビカカプセル(イブルチニブ)がマントル細胞リンパ腫1次治療の適応を持っている。

プレバイミス錠240mg、同点滴静注240mg(レテルモビル、MSD):「臓器移植におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」を対象疾患とする新効能医薬品。

抗サイトメガロウイルス化学療法剤。18年3月に「同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」の適応で承認を取得しており、今回、臓器移植患者における適応追加が審議される。

アビガン錠200mg(ファビピラビル、富士フイルム富山化学):「重症熱性血小板減少症候群ウイルス感染症」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

RNAポリメラーゼ阻害剤。14年3月に「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。)」の適応で承認されており、現在、当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品と位置付けられている。

今回、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症」の適応追加が審議される。SFTSウイルス感染症は、主にマダニを介して感染し、発熱、倦怠感等に続き、嘔吐、下痢等の消化器症状が認められることが多く、臓器不全によって死に至る場合もある疾患であり、確立した治療法はない。患者数は763人と推定されている。

▽①小児用レルベア50エリプタ14吸入用②同50エリプタ30吸入用③レルベア100エリプタ14吸入用④同100エリプタ30吸入用(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロールトリフェニル酢酸塩、グラクソ・スミスクライン):「気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)(小児用量の追加)」を対象疾患とする①②新医療用配合剤、③④新用量医薬品。

ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬(LABA)の配合剤。2013年9月に成人気管支喘息の適応で承認されており、今回、小児用量の追加ととともに、小児用の剤形追加が審議される。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ビラフトビカプセル50mg、同75mg(エンコラフェニブ、小野薬品):「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺がん及びBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺未分化がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
メクトビ錠15mg(ビニメチニブ、小野薬品):「同」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

ビラフトビはBRAF阻害剤。メクトビはMEK阻害剤。2剤併用療法による甲状腺がんに対する適応追加の一変申請が23年5月に行われた。

甲状腺がんは、気管の付近、頸部の前面に位置する甲状腺組織中に発生する悪性腫瘍であり、組織学的には、分化がん(甲状腺がんの約97%)、未分化がん(同1~2%)、髄様がん(同1~2%)に大別される。国内の罹患者数は、22年で約1万8600人、死亡者数は約1900人と推定されている。BRAF遺伝子変異陽性は、甲状腺がん患者の37~68%に認められる。

キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD):「治癒切除不能な胆道がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

ヒト化抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。化学療法との併用療法による胆道がんに対する適応追加の一変申請が23年6月に行われた。国内では19年に約2.2万人が新たに胆道がんと診断されている。

ジーラスタ皮下注3.6mg(ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)、協和キリン):「造血幹細胞の末梢血中への動員」を対象疾患とする新効能医薬品。

持続型G-CSF製剤。22年2月に「同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員」の適応で承認されており、今回、自家末梢血幹細胞移植への適応追加が報告される。
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