AZ 新規の乳がん治療薬・トルカプ錠は5月22日発売 ファセンラ皮下注10mgは発売準備中
公開日時 2024/05/24 04:50
アストラゼネカは新規の乳がん治療薬・トルカプ錠を5月22日に発売した。体重35kg未満の6歳以上12歳未満の小児向けのファセンラ皮下注10mgは発売に向けて準備中。両剤とも22日に薬価収載されたもの。
トルカプ錠(一般名:カピバセルチブ)は、ファーストインクラスのセリン/スレオニンキナーゼであるAKTの3種類のアイソフォーム(AKT1、AKT2、AKT3)の全てを強力かつ選択的に阻害する経口AKT阻害薬。効能・効果は、「内分泌療法後に増悪したPIK3CA、AKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2 陰性の手術不能又は再発乳がん」。
ファセンラ皮下注10mgの効能・効果は、既承認の30mg製剤と同様の「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」だが、10mg製剤は体重35kg未満の6歳以上12歳未満の小児向けの製剤となる。
◎アンジェス 早老症治療薬・ゾキンヴィ、5月27日発売予定
アンジェスは5月23日、早老症治療薬・ゾキンヴィカプセル(一般名:ロナファルニブ)を27日に発売すると発表した。4月17日に薬価収載されていた。
ゾキンヴィの効能・効果は「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー」。ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)とプロジェロイド・ラミノパチー(PL)は、それぞれが大変希少な致死性の遺伝的早老症。いずれの病型とも深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋萎縮症などの早老症状が現れ、動脈硬化性疾患により若年期に死亡するとされ、HGPSの平均年齢は14.5歳と報告されている。
ゾキンヴィはHGPSやプロセシング不全性のPLの小児及び若年成人において、核膜の構造・機能を損なうファルネシル化された変異タンパク質(核の不安定化と早期老化を惹起)の蓄積を阻害する。アンジェスは本剤の使用が見込まれる国内患者数は「数名程度」としている。