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UCBジャパン マルトラ免疫・炎症事業部長 炎症性疾患の「治癒と完全な解消を目指す」

公開日時 2024/11/27 04:48
ユーシービー(UCB)ジャパンのマルトラ アレクサンドル免疫・炎症事業部長は11月26日に開いたビンゼレックスの化膿性汗腺炎の適応追加に関するメディアセミナーで、化膿性汗腺炎を含む炎症性疾患に対し「長期的には治癒と完全な解消を目指す」と強調した。慢性の炎症性疾患は、その症状だけでなく、患者の精神的苦痛やQOLの著しい低下を招くことが少なくないと指摘。免疫経路を深く理解し、その課題に対処する新薬開発に注力することで、「より多くの患者さんにソリューションを提供していく」と述べた。

化膿性汗腺炎は慢性的かつ再発性の希少な炎症性皮膚疾患。痛みを伴う結節や膿瘍を特徴とする。好発部位としては腋窩のほか、臀部、鼠径部、肛門周囲、乳房下部などの間接部に発現する。マルトラ部長は、好発部位を含む疾患特性から、「化膿性汗腺炎は患者さんの生活の質に深刻な影響を与える疾患」との認識を示した。そして、「長い間、化膿性汗腺炎の治療選択肢は限られており、多くの患者さんがアンメットニーズを抱えている。我々はビンゼレックスを提供することで、このアンメットニーズを埋めたい」と話した。

ビンゼレックスは炎症性疾患の発症に重要な役割を果たしている炎症性サイトカインのIL-17AとIL-17Fをともに選択的かつ直接的に阻害するヒト化モノクロ―バルIgG1抗体(ヒト化抗ヒトIL-17A/IL-17Fモノクローナル抗体製剤)。22年に発売し、今年9月に承認を取得した化膿性汗腺炎を含めて7つの適応を持つ。UCBジャパンは20年からパートナリング戦略から自社単独展開に舵を切り、ビンゼレックスは国内で開発、申請、発売までを全て自社単独で行った初の製剤でもある。

なお、UCBジャパンの免疫・炎症事業部では、ビンゼレックスと、関節リウマチや尋常性乾癬などの適応を持つペグヒト化抗ヒトTNFαモノクローナル抗体Fab断片製剤・シムジア皮下注の2剤を手掛けている。シムジアは現在、アステラス製薬と販売提携しているが、この提携は25年3月末で終了し、4月1日からUCBジャパンが単独で販売、販促活動、流通を担うことになっている。

UCBはベルギーのブリュッセルに本社を置くグローバルバイオファーマ。売上高に占める研究開発費比率は31%で、ニューロロジー、免疫・炎症疾患、希少疾患――の3つを重点領域とする。世界に36拠点あり、日本法人はUCBにとって「世界で3番目に大きな子会社」(マルトラ部長)となっている。
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