スズケン 比木武氏が6月に執行役員退任へ、デジタル部門けん引 Welby代表取締役の職務に専念
公開日時 2025/02/13 04:50
スズケンは2月12日、デジタル部門をけん引した比木武・執行役員デジタルプラットフォーム事業本部長(Welby代表取締役兼務)が6月下旬開催予定の定時株主総会日付で執行役員を退任すると発表した。スズケン広報部門によると、比木氏はスズケンの関連会社であるWelbyの代表取締役の職務に専念し、そちらに比重を置くため退任するが、退任後も「当社の関連会社として、より一層、連携を図っていく」としている。
比木氏は2023年4月から2期にわたってスズケン執行役員としてデジタル部門をけん引し、スズケングループが医療・介護従事者向けに現在展開している医療DX総合プラットフォーム「COLLABO Portal(コラボポータル)」のベースを構築した。
スズケンとWelbyは19年に資本業務提携し、医療DX推進のため医療機関向けのデジタルサービスの開発・普及を推進。22年8月にはPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」を活用した保険薬局向けサービスでも共同展開を始めた。スズケンとしては「健康創造事業体」の実現に向け、グループ一体による企画・管理機能の強化、卸売事業の抜本的改革、新規事業の創出等を目指して組織再編を行い、その一環として比木氏がWelby代表取締役を兼務する形で23年4月にスズケン執行役員に就任した。なお、24年6月30日現在、スズケンはWelby株式の20.05%を保有している。
◎デジタルプラットフォーム事業本部を廃止、「デジタルソリューション統轄本部」を新設
スズケンは2月12日の取締役会で、組織再編・役員人事・執行役員人事などを決定した。4月1日付でデジタルプラットフォーム事業本部を廃止して「デジタルソリューション統轄本部」を新設。スズケングループの翔薬の大黒勇一郎代表取締役社長が同日付でスズケン常務執行役員デジタルソリューション統轄本部長(翔薬取締役兼務)に就任する予定だとした。比木氏は同日付で執行役員デジタルソリューション統轄本部長付となる。
スズケン広報部門は本誌取材に、同統轄本部を新設するねらいについて、「グループ卸である翔薬の代表取締役の経験もある大黒氏を本部長として、比木氏が作り上げたベースをもとに、グループ全体としての成果に繋げるフェーズへステージを上げていきたいと考えている」と説明した。同統轄本部では、デジタルに関連した新たなソリューションの開発、運用、保守などの機能を確立することに特化し、ヘルスケア流通事業本部や医療・介護支援事業本部といった各事業部門と連携し、スズケングループの収益最大化を実現する。