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米バイオジェン 米ストークスのドラベ症候群の治療薬候補・Zorevunersenの開発・商業化で提携契約

公開日時 2025/02/26 04:49
米バイオジェンは2月25日、米ストーン・セラピューティクスがドラベ症候群の治療薬として開発中のアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)・Zorevunersenの開発及び商業化で提携契約を締結したと日本法人を通じて発表した。バイオジェンによると、Zorevunersenはドラベ症候群に対するファーストインクラスの疾患修飾薬になる可能性がある。ストークは米国、欧州、日本の各規制当局との協議で合意が得られたことを受けて、Zorevunersenの承認申請に向けた国際共同第III相臨床試験(EMPEROR)を開始する計画。同試験は2025年第2四半期に開始予定で、27年下半期にピボタルデータのリードアウトを見込む。これを受けて全世界で申請することが可能になるとしている。

今回の契約に基づき、ストークは引き続きZorevunersenの全世界での開発をリードし、米国、カナダ、メキシコにおける独占的な開発・商業化の権利を保持する。バイオジェンは全世界のその他の国・地域でのZorevunersenの商業化について独占権を取得する。

この取引の完了後、ストークは前払金1億6500万ドルを受領する。Zorevunersenの対外的な臨床開発費用は折半する。さらにストークは開発・商業化のマイルストーン支払いとして最高で3億8500万ドルを受領する可能性がある。また、ストークはバイオジェンが担当する地域での将来の正味売上高に対して10%台前半から後半の段階的ロイヤリティを受領する資格を持つ。

このほか、ストークはバイオジェンに対して、今回の提携とは別のマイルストーン、コスト折半およびロイヤリティの枠組みを対価として、SCN1Aを標的とする将来の特定の後続ASOに対する米国、カナダ、メキシコ以外での権利をライセンスするオプション権を付与した。

Zorevunersenは、SCN1A遺伝子の変異していない(野生型の)複製から脳内のNaV1.1タンパク質の生成を増加させることでドラベ症候群の根本原因を治療すべく設計されたASO。この高度に差別化された作用機序により、抗発作薬で達成される以上に発作の頻度を減少させ、神経発達、認知、行動を改善させることを目指している。

Zorevunersenの臨床第I/IIa相試験およびオープンラベル延長(OLE)試験のデータによると、Zorevunersenの治療を受けた被験者はけいれん発作の頻度が大幅にかつ長期にわたって減少し、認知および行動に関する複数の指標で改善を示した。疾患修飾の可能性を有することから、規制当局から承認申請に向けた国際共同臨床第III相試験に進むことが支持されている。なお、FDAとEMAから希少疾病用医薬品の指定を受けているほか、FDAは小児用希少疾病用医薬品に指定するとともに、機能獲得型に関連しない、SCN1A遺伝子の変異が確認されたドラベ症候群の治療薬としてブレークスルー治療に指定している。  ドラベ症候群は、重症で繰り返す発作と、重篤な認知および行動障害を特徴とする重症の発育性てんかん性脳症。ドラベ症候群のほとんどの症例はSCN1A遺伝子の1つの複製で変異が起き、脳内の神経細胞におけるNaV1.1タンパク質の濃度が不十分になることで発症する。90%以上の患者は、既存で最善の抗発作薬による治療にもかかわらず継続的に発作を経験する。

ドラベ症候群の合併症はしばしば患者や介護者のQOLの悪化を招く。発達障害や認知障害は多くの場合、知的障害、発達遅延、運動や平衡の問題、言語および発話の混乱などを含む。一般的なてんかん患者の集団と比較して、ドラベ症候群患者はより高いてんかんの突然死リスクがある。
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