合成黄体ホルモン単剤の経口避妊薬・スリンダなど新薬3製品を審議へ 4月25日の第一部会で
公開日時 2025/04/18 04:48
厚生労働省は4月25日に薬事審議会・医薬品第一部会を開き、あすか製薬の国内初となる合成黄体ホルモン(プロゲスチン)単剤の経口避妊薬・スリンダ錠28(一般名:ドロスピレノン)など新薬3製品の承認の可否を審議する。
この中には、ノバルティスファーマのファビハルタの「C3腎症」や、中外製薬のバビースモの「脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条」の適応追加が含まれる。今回、報告予定品目はない。承認が了承されると、5月中の正式承認が見込まれる。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽スリンダ錠28(ドロスピレノン、あすか製薬):「避妊」を対象疾患とする新効能・新用量・その他の医薬品。
合成黄体ホルモン。現在、国内で承認されている経口避妊薬は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と合成黄体ホルモン(プロゲスチン)の配合剤となっている。スリンダ錠は、ドロスピレノンを成分とするプロゲスチンのみの経口避妊薬。
従来の経口避妊薬(配合剤)には、頻度は少ないものの、エストロゲンに由来する血栓症のリスクがあり、血栓症リスク低減を期待して開発された。
▽ファビハルタカプセル200mg(イプタコパン塩酸塩水和物、ノバルティスファーマ):「C3腎症」を対象疾患とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。
補体B因子阻害剤。対象疾患とするC3腎症は、免疫系の一部である補体第二経路の過剰活性化により、腎糸球体にC3というたんぱく質が沈着し、炎症および糸球体損傷が誘発され、たんぱく尿、血尿および腎機能低下が引き起こされる。非常に稀な腎疾患であり、主に若年成人で診断され、腎不全に進行することが多い。
国内でファビハルタは、24年6月に発作性夜間ヘモグロビン尿症の適応で承認されている。
▽バビースモ硝子体内注射液120mg/mL、同硝子体内注射用キット120mg/mL(ファリシマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
抗VEGF/抗Ang-2二重特異性抗体。対象疾患とする網膜色素線条は、網膜の一部が断裂し、眼底に特徴的な線状の色調変化(色素線条)が見られる疾患。脈絡膜新生血管が黄斑部に及んだ場合には、無治療では視力予後が不良。国内では現在、網膜色素線条に関する効能・効果で承認されている薬剤はない。
バビースモが現在持っている適応は、加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫―の3つ。