PMDA 骨粗鬆症治療剤・オスタバロ皮下注の過量投与で注意喚起 専用の注入器使用を
公開日時 2025/07/01 04:49
PMDAは6月30日、骨粗鬆症治療剤・オスタバロ皮下注カートリッジについて、専用の注入器(オスタバロインジェクター)を使用して投与するよう、注意喚起した。同剤は1本のカートリッジには14日分の有効成分が含まれているが、オスタバロインジェクターを使用せずにシリンジで全量を吸い取り、一度に投与された結果、重篤な副作用を起こした例が報告されている。
製造販売元の帝人ファーマが今年3月に発出した適正使用のお願いによると、同剤が発売された23年1月30日から25年2月12日までにオスタバロインジェクターを使用せずに投与された例が5例報告されており、意識消失/迷走神経反射/低血圧/低酸素血症や、血圧低下、腰背部痛など重篤な副作用が発生した症例もあった。
同剤の添付文書では、過量投与により、高カルシウム血症、起立性低血圧、悪心、嘔吐、めまい、無力症、頻脈及び頭痛が 起こる可能性があるとされている。過量投与に対して、特異的解毒薬はない。過量投与が疑われる場合は、本剤の投与を中止。血清カルシウム濃度を測定し、輸液等の適切な処置を行うこととしている。帝人ファーマは、過量投与された場合は、適切な処置とあわせて、同社のMRまたは問い合わせ窓口まで連絡することを求めている。