BMS 限定出荷中のケナコルト-A 筋注用・皮内用「出荷量を削減して限定出荷を行う」と医療関係者に伝達
公開日時 2025/07/16 04:49
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は、海外での製造再開時期が未確定で限定出荷中の「ケナコルト-A 筋注用関節腔内用水懸注 40mg/1mL」と「ケナコルト-A皮内用関節腔内用水懸注 50mg/5mL」について、「出荷量を削減して限定出荷を行う」と医療関係者に伝達した。ケナコルト-A筋注用は、10月までは限定出荷前の需要の「1割ほど」の出荷。一方、ケナコルト-A 皮内用は、11 月までは限定出荷前の需要の「4割ほど」の出荷となる。
BMSは今年4月に両製品について、「海外の製剤工場において新製造ラインの適格性評価に関連した調査に時間を要しており、安定供給に支障をきたす可能性があることが判明した」と公表。特約店への限定出荷を実施すると同時に、海外の製造工場と協力し、調査を
進めていた。
◎7月9日付で医療関係者に公開 「現時点では製造再開時期が未確定」
7月9日付で同社が医療関係者に公開した「今後の供給予定についてのご案内」によると、厚生労働省および関連学会と協議を重ねるとともに両製品の早期の製造再開を目指して海外本社も含め全社を挙げて取り組んでいるが、「製剤製造所における新製造ラインの適格性評価に関連した調査にさらに時間を要することが判明した」と説明。並行して旧製造ラインを用いた製造の検討を進めていることを明らかにしつつも、「現時点では製造再開時期が未確定」とし、改めて「当面の供給予定」を提示した。
それによると、「ケナコルト-A 筋注用」については、4月に公表した「在庫消尽時期7月初旬」を改め、「欠品を避けるため出荷量をさらに削減し引き続き特約店への限定出荷を行う」と説明。25年10月までの出荷は、限定出荷前の需要の1割になるとした。この場合、在庫消尽時期は 10 月後半となる見込み。「ケナコルト-A 皮内用」については、4月時点では、「出荷量通常で限定出荷とする」としていたが、「今後は出荷量を削減して、限定出荷を行う」とした。これにより25年11月までの出荷は、限定出荷前の需要の 4 割ほどとなり、在庫消尽時期は 11月初旬になる見込み。
◎同一成分・同一効能効果を有する注射剤ない 代替治療は「患者の病態および状態像に基づき検討を」
なお、両製品の有効成分であるトリアムシノロンと同一成分・同一効能効果を有する注射剤はない。このためBMSの医療関係者向けの案内文では、力価換算と両製品と他のステロイド注射剤の効能・効果の一覧を「別紙」(同社医療従事者向け Web サイト掲載)として提示し、「効能又は効果、用法及び用量が両製剤と異なりますので、各製品の添付文書を ご確認の上、個々の患者の病態および状態像に基づき、効能又は効果、用法及び用量の範囲内でご使用をご検討ください」と要請。さらに、「代替の了承は得られていない」として、「供給状況は各製造販売会社にご確認ください」とし、医療関係者に対しては、「他剤副腎皮質ホルモン製剤の供給も限られていることから関係特約店と相談の上で代替治療を検討して欲しい」と呼び掛けた。