ジェンマブ 子宮頸がん患者調査を公表 「正しい情報へのアクセス」が課題 年齢層ごとの悩み明らかに
公開日時 2025/07/28 04:50

ジェンマブの穴澤嘉雄・メディカルアフェアーズ本部長は7月24日のメディアラウンドテーブルで、子宮頸がん患者を対象に行ったアンケート調査から、治療費など経済面の「情報不足」を感じる一方で、6割が「情報の正確性の判断が難しい」と感じていることを報告した。一方、女性特有のがん体験者をサポートするNPO法人・オレンジティの河村裕美氏理事長は、「(情報を)伝えていくことも重要だが、患者教育も必要だと思う」と、患者側の情報リテラシー向上の必要性を強調した。
ジェンマブはオレンジティと協力し、子宮頸がん治療におけるアンメットニーズへの理解を深めることを目的に、2025年4月2日から11日にかけて、全国の20代から60代の子宮頸がん患者300人を対象にアンケート調査を実施した。その結果、85.9%が「世の中に子宮頸がんの情報が広く伝わるといいと思う」と感じていた。一方で、60.5%が「情報が多すぎてどれが正しいのか判断が難しい」と回答。正しい情報へのアクセスに課題があることが明らかになった。
◎診療時の不安 40代・50代の患者は治療費など経済的な懸念抱く

オレンジティの河村裕美氏理事長は20年以上前に自身が子宮頸がんを経験した立場から、「患者会の中では公的な機関などの情報が正しいことは分かっていても、広告に“がんが治った”と書かれているとすがりたくなってしまう」と、当事者の切実な心情を説明。「患者さんの目に留まらせないことに加え、患者さんの教育も必要だと思う」と強調した。また、診断時の不安については、40代・50代では治療費など経済的な懸念を抱いており、20代・30代は出産への影響や、キャリアプランへの影響なども多く上がる結果となった。
◎ジェンマブ・穴澤MA本部長「ライフステージに特有の課題が広範囲に存在する」
ジェンマブの穴澤本部長は、「20代、30代の方の不安はライフステージに特有の課題が広範囲にあるという印象で、非常に裾野が大きく広がっている」と指摘。これに河村氏も、「40代になると老後が見えてきて、いつまで働けるか、子どもを大学に出せるかなどの話が増えて経済的な話が多くなる印象」と応じ、「抗がん剤治療を受けても、生きられるのが3か月から6か月になるなら、子どもへお金を残したほうがいいんじゃないかという話を受けたこともある」と経験を語った。
穴澤本部長は、「子宮頸がんに対する正しい理解が患者さんやそのご家族、社会にも広まり、多くの患者さんが自分らしく、前向きに日々過ごせるよう、今後も様々な取り組みをして貢献していく」と力を込めた。