ジェンマブ 二重特異性抗体・エプキンリ 再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の適応追加を一変申請
公開日時 2024/03/13 04:48
ジェンマブは3月11日、二重特異性抗体製剤・エプキンリ皮下注(一般名:エプコリタマブ(遺伝子組換え))について、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(Grade1-3A)を対象疾患とする適応追加を一変申請したと発表した。全身療法を2回以上受けた再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を含む成熟B細胞非ホジキンリンパ腫を対象とした海外第1/2相臨床試験(EPCORE NHL-1)や国内第1/2相臨床試験(EPCORE NHL-3)などの結果に基づく。
エプキンリは、ジェンマブの独自技術プラットフォーム「DuoBody」を用いて作製された皮下投与の二重特異性抗体。T細胞の細胞膜に発現するCD3及びB細胞性腫瘍の細胞膜に発現するCD20の両者に結合することにより、CD20を発現する腫瘍細胞に対してT細胞依存性の細胞傷害活性を誘導し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。ジェンマブとアッヴィのがん領域におけるグローバルな提携関係のもと、両社が共同開発している。
日本では、抗CD20モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも2つの標準療法後の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫)および再発又は難治性のFL(Grade3B)に対して承認されている。ジェンマブが製造販売し、アッヴィと共同販促している。
なお、濾胞性リンパ腫(FL)はリンパ系に発生するがんである非ホジキンリンパ腫(NHL)のひとつで、国内のFL総患者数は1万9000人と推定されている。FLは再発を繰り返すのが一般的で、既存治療を繰り返すたびに奏効率が次第に下がり、奏効期間も短くなると報告されている。このため、再発又は難治性のFLについては、標準的な治療法が確立しておらず、新しい治療法へのニーズが高い。