旭化成ファーマとサワイグループホールディングス（GHD）は10月21日、旭化成ファーマの骨粗鬆症治療薬・テリボン皮下注用56.5μgに関する特許侵害訴訟で、知財高裁において20日付で和解が成立したとそれぞれ発表した。サワイGHD子会社の沢井製薬が旭化成ファーマに対して和解金40億円を支払い、旭化成ファーマは沢井製薬に対するその他の請求を放棄した。旭化成ファーマによると、「沢井製薬は本件特許権が有効に存続している限り、沢井製品（＝沢井製薬のテリボン後発品）は製造または販売しないことに合意している」という。

旭化成ファーマは2022年４月、沢井製薬のテリボン後発品（以下、沢井製品）がテリボンに関する特許権（特許第 6025881号、以下「本件特許」）を侵害しているとして、沢井製品の製造販売の差止と損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。24年９月の一審判決では、沢井製薬に対し、沢井製品を本件特許権の方法で製造、販売または販売の申出をしてはならないことと、約30億円の賠償金の支払いを命じた。

この一審判決に対し沢井製薬は24年10月に知財高裁に控訴した。サワイGHDは今回の和解について、「和解条件を総合的に勘案した結果、和解による解決が合理的であると判断し、合意に至った」と説明している。

なお、一審判決に先立つ23年９月に大阪地裁から沢井製薬に対し、沢井製品の製造、販売及び販売の申出をしてはならないとの仮処分命令が発出され、以降、沢井製品の製造販売は中止されている。