政府 国費ベース総額21兆3000億円規模の総合経済対策を決定 「医療・介護等支援パッケージ」導入へ
公開日時 2025/11/25 04:51
政府は11月21日、総額21兆3000億円規模の総合経済対策を決定した。高市早苗首相は会見で、「赤字の医療機関・介護施設を中心に報酬改定の時期を待たず、前倒しで補助金を“医療・介護等支援パッケージ”にて緊急措置する」と強調した。医療従事者等の処遇改善については、「賃上げに取り組む医療機関で働く従事者に対し、プラス3パーセントの半年分の賃上げ、介護従事者全般には月1万円の半年分の賃上げを措置する」と述べた。このほか、経営改善支援として、医療機関の物価高騰対策、病院建替え支援、病床数適正化支援(基金化)、金融支援強化(資本性劣後ローン)などを措置する。
総合経済対策は、国費ベースで総額21兆3000億円、うち25年度補正予算案の一般会計の総額は17兆7000億円、うち減税分が2兆7000億円、うち特別会計が9000億円程度となった。
◎「強い経済」を実現する総合経済対策 自民・維新の与党調整を反映
政府が閣議決定した『「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~』は、これまで自民党・日本維新の会の与党調整を踏まえて策定されたもの。政調全体会議で意見のあった、「医療・介護等支援パッケージの箇所には、“これまでの支援が今までの物価賃金動向に比して充分ではなかったことも認識した上で”と明記すべきとの指示に対し、政府案は、「政府としては、これまで累次の支援策を講じたものの、依然として物価・賃金上昇の影響を受けている状況であることを踏まえ、」との文言を追記した。
◎後発品の品目統合や事業再編等に向けて生産性向上に取り組む企業の設備投資を支援
総合経済対策の「創薬・先端医療の推進、国内製造拠点の整備等」の項目では、継続的に創薬スタートアップから革新的新薬を生み出す創薬基盤・インフラの強化の支援や医療分野の研究開発及び環境整備の推進を担うAMED等への支援を通じて、研究開発を加速化するとともに、国際水準の治験・臨床試験実施推進により、優れた基礎研究の成果を革新的医薬品として早期の社会実装につなげる方針を明記した。
また、後発医薬品の品目統合や事業再編等に向けて生産性向上に取り組む企業の設備投資やバイオ後続品の国内製造施設の整備を支援するとともに、医薬品卸による安定供給の維持・強靱化への強力な支援を行う。
◎OTC類似薬を含む薬剤自己負担 制度設計25年度中、26年度中に実施
社会保障制度改革については、現役世代の社会保険料負担を含む国民負担を軽減するため、「骨太方針2025」に盛り込まれた社会保障制度改革を着実に実行する。特にOTC類似薬を含む薬剤自己負担については、現役世代の保険料負担の一定規模の抑制につながる具体的な制度設計を2025年度中に実現した上で、2026年度中に実施するとした。
また、医療費の窓口負担について、年齢にかかわらず公平な応能負担を実現するための第一歩として、高齢者の窓口負担割合等に金融所得を反映するため、具体的な法制上の措置を2025年度中に講ずる。
◎26年度診療報酬改定 特に高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善
2026年度診療報酬改定について、インフレ下における医療給付の在り方と現役世代の保険料負担抑制の整合性を確保しつつ、特に高度機能医療を担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善(診療報酬体系の抜本的見直し)の観点や2040年頃を見据えた医療機関(病院・診療所)の機能に着目した分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進、多剤重複投薬対策等に留意しながら実施するとした。
あわせて自民・維新の連立政権合意書に盛り込まれたその他の社会保障改革を含め、2025年度中に具体的な骨子について合意し、2026年度中に具体的な制度設計を行い、順次実施するとも明記した。