上野厚労相 OTC類似薬の保険給付見直し「持続可能な社会保障構築で必要な取り組み」 改正健保法審議
公開日時 2026/04/16 04:50
上野賢一郎厚労相は4月15日の衆院厚労委員会で、健康保険法等改正案に盛り込まれたOTC類似薬の保険給付見直しについて、「持続可能な社会保障制度を構築して、現役世代を中心とした保険料負担を軽減していくために必要な取り組みだ」と改めて意義を説明した。さらに、実施に向けては、「意図しない処方シフトが生じないよう現場の運用方法をわかりやすく示すなど、丁寧に検討を進めていくことが重要」と強調。「制度の具体化や施行後の議論については、単に保険料負担軽減の観点からのみ進めるのではなく、医療現場や患者に与える影響に十分留意しながら丁寧に検討していきたい」と述べた。勝目康氏(自民)への答弁。
◎「配慮が必要な者」 法案成立後に「有識者検討会や医療保険部会、中医協で議論」
この日の質疑では、OTC類似薬について薬剤費の一部を保険給付外とする「一部保険外療養」を創設する新たな仕組みの導入にあたり、「配慮が必要な者」について政府側の見解を質す場面があった。厚労省は要配慮者の例として、「子ども、がん患者や難病患者など配慮必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方など」と説明。一例としてがん患者や、抗がん剤治療の副作用に伴う治療を行う人、年間を通じて通院の必要があるアトピー性皮膚炎患者などを挙げた。その上で、「配慮の範囲や運用については、法案成立後、有識者検討会で技術的な観点から議論した後、医療保険部会や中医協でも議論してもらおうと考えている」と説明した。
「医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方」の判断基準については、「国から一定の基準などを示すことを想定している。現場での判断に偏りが生じないように、運用の分かりやすさなどにも留意して進めていきたい」との考えを示した。
◎「処方シフト」への懸念 「医療現場・患者に分かりやすく伝え、適切な運用図る」
また、「一部保険外療養」の対象となることを理由に、OTC類似薬からより高額な保険適用薬に変える「処方シフト」への懸念があることに政府側の見解が求められた。厚労省は、「必要な受診を行った上で結果的に別途の負担を求めるものであって、OTC類似薬の処方を行わないようにする制度ではない」と説明。「医療現場や患者に分かりやすく伝えることで、制度の適切な運用を図っていきたい」と述べた。梅村聡氏(維新)への答弁。
一部保険外療養の対象医薬品の範囲は77成分約1100品目で、薬剤費の4分の1を特別の料金として徴収する。この制度変更による医療費削減効果として、厚労省は年間900億円と説明。具体的な内訳として、対象品目の薬剤費を基に、一部保険外療養での患者負担分で約500億円と、OTC医薬品の利用に切り替える行動変容分で約400億円との算定根拠を示した。