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アステラス製薬・R&D Day 「ASP3082」が膵線がん、非小細胞肺がんでPoC達成 P3試験への進展報告

公開日時 2026/04/01 04:53
アステラス製薬の谷口忠明 研究開発担当Chief Research & Development Officer(CRDO)は3月31日開催の「Astellas R&D Day」で、KRAS G12D変異標的タンパク質分解誘導薬セチデグラシブ(ASP3082)が膵線がん、非小細胞肺がんでPoCを達成し、第3相臨床試験の実施に向けて進展があったと報告した。膵線がんはASCO GI 2026で発表した一次治療における併用療法のデータから抗腫瘍効果を確認。すでにP3試験への組み入れを開始した。一方、非小細胞肺がんは昨年のAACR-NCI-EORTC 2025およびELCC2026で発表した単剤療法のデータから、持続的な臨床的有用性を示したと説明。二次治療以降でのP3試験を準備していると報告した。膵臓がんのP3結果は29年度に、非小細胞肺がんは28年度にデータが判明すると見通した。

◎“Undruggable” とされた標的タンパク質分解誘導分野での治療変革を目指す

同社が“フラッグシッププログラム”に位置づける「ASP3082」は、がん領域で長らくアプローチが困難とされていたKRAS G12D変異のある固形がんを対象とした標的タンパク質分解誘導剤で、ファーストインクラスが期待される薬剤だ。特に、膵線がんの約40%、非小細胞肺がんの約5%にKRAS G12D変異が認められているという。加えて同社の“後続プログラム”には多様なKRAS変異を標的とするpan-KRAS分解誘導剤「ASP5834」もあり、これまで「Undruggable(アンドラッガブル)」とされた標的タンパク質分解誘導分野での治療変革を目指している。

◎膵線がんは1月のASCO GIで発表  単剤または化学療法併用 ORRは58.3%、DCRは83.3%

この日の説明会では、今年1月に開催したASCO GIのデータから、膵腺がんに対するASP3082単剤またはmFOLIRINOXとの一次治療における併用投与の結果を報告。谷口CRDOは、「有効性の評価が可能だった患者12症例において、客観的奏効率(ORR)は58.3%、病勢コントロール率(DCR)は83.3%を示した」と述べ、「インフュージョンリアクション(IR)は72.2%で報告されたものの、主に低グレードで、多くは初回投与時に発現し、標準的な支持療法で管理可能だった。これにより治療中止に至った症例はなかった」と説明した。

◎ASP3082とmFOLFIRINOX/NALIRIFOX併用療法 第3相試験の組み入れ開始

谷口CRDOはこの結果から、「KRAS G12D変異陽性転移性膵腺がん患者の一次治療を対象にASP3082とmFOLFIRINOX/NALIRIFOX併用療法を評価する第3相試験の組み入れを開始した」と明かした。試験結果は2029年度にデータ判明の見込み。

◎非小細胞肺がんのデータは先週のELCC 2026で発表  PFSの中央値は11.2か月

一方で、3月25~26日にコペンハーゲンで開催された欧州肺がん学会(ELCC)2026でのKRAS G12D変異陽性の進行性または転移性非小細胞を対象としたASP3082の単剤療法の結果を報告。ORRは37.5%、PFS(無増悪生存期間)の中央値は11.2か月と、「持続的な臨床的有用性を示し、新たな安全性シグナルは認められなかった」と強調した。なお、この試験結果については、即日NEJMにも同時掲載された。

谷口CRDOは、「これらの結果を踏まえて、進行性または転移性非小細胞肺がん患者を対象としたASP3082単剤投与法の第3相試験開始に向けて準備を進めている」と明かした。P3の試験結果は2028年度にデータ判明見込み。

◎谷口CRDO セチデグラシブが非小細胞肺がんでベストインクラスになるか見ていく

谷口CRDOは今回の結果について、「我々の標的タンパク質分解誘導に関する仮説が証明されつつある」と強調。また「PFSの結果から効果の持続性がかなり保たれている」との見方を示し、「実際にP3のデータを蓄積する中で、セチデグラシブ(ASP3082)が非小細胞肺がんにおいてベストインクラスになるかどうか注力して見ていかなければならない」との見解を示した。

◎膵線がん「思った以上に効いている感触はある。非常に期待が大きい」

膵線がんについて谷口CRDOは、「思った以上に効いている感触はある」と期待感を表明。「まずは化学療法との併用でより高い有効性が示されているので、一次治療を中心とした開発戦略を進めていく方向で進んでいく」と明かした。谷口CRDPはまた、「膵線がんについては化学療法以外に有効性が示されている薬剤はない。非常に期待が大きい」と述べながら、「将来的にチデグラシブ(ASP3082)と化学療法の併用が一次治療の中心となるような形で試験デザインを組み、これから第3相試験の組み入れを開始していきたい」と強調した。
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