アステラス製薬 イノベーションラボ「SakuLab」をメディア公開 施設拡張で20団体使用可能に
公開日時 2026/03/18 04:52

アステラス製薬の後藤正英イノベーションラボ・オープンイノベーションマネジメントヘッドは3月16日に開いたSakuLab-Tsukubaに関する説明会で、「実際に臨床研究段階に進んでいるスタートアップもある。今後もいろいろなステークホルダーを巻き込んでエコシステムの発展に貢献したい」と述べた。SakuLab-Tsukubaは、つくば研究センターの敷地内に設立されたオープンイノベーション拠点で、現在10社が利用している。後藤氏は2027年末に向けて拡張する計画を明かし、「将来のサイエンスをものにし、会社としてレピュテーションを上げていくことが、より良いサイエンスをアステラスに引きつける力になる」との考えを示した。
SakuLab-Tsukubaは2023年10月に同社が開設した4階建ての施設で、生物系・化学系の実験施設や装置を備える。隣接する新日本科学の動物施設から動物実験に関するサービス提供を受けることも可能で、アステラス社員による専門的な助言などの支援も受けられる。
現在は筑波大学を中心とした産学官共創の「つくばデジタルバイオ国際拠点」や日本のスタートアップのほか、韓国のスタートアップ、SONYなども入居している。このうち、国内での第Ⅰ相臨床試験を開始したスタートアップもあるという。後藤氏は、「予想を超える入居者数で入居に向けたディスカッションをしているところも5社以上ある。予想したよりも興味を持っていただけていると感じており、いいスタートが切れている」と語った。
また後藤氏は「思ったよりも盛り上がってきている」とし、現在15社としている入居可能数を20社まで増やすため、拡張工事を進めていることも明かした。月額使用料が一区画あたり19万8000円(税抜)で、「家賃の安さ」に加え、「コンサルテーションの提供」を理由に入居する団体も多いという。
後藤氏は、「我々のところでうまくいったら巣立ってアイパークなどのオープンイノベーション拠点に羽ばたいて行くというような構想を持っている。ボストン・ケンブリッジのエコシステムはそのような形でうまく回っているところもあり同様の形でうまく回ってくれたら」と展望を語った。
◎実験設備やオフィス公開 入居者の要望受け拡張へ

この日はSakuLab-Tsukubaの施設見学会も行われた。フリーアドレスのオフィススペースには、海外の入居者の要望に合わせて昇降式デスクも備えている。生物系実験室とドラフト装置も備えた化学系実験室があり、各種機器も完備。アジレント・テクノロジー社のデモ機LC-MSなども備えている。
一方で入居者からは、現状では対応できないウイルス実験などのP2実験(バイオセーフティレベル2)が可能な施設や、海外スタートアップからはビザ取得の関係で個室オフィスを求める要望も出ているという。
こうした要望に対応するため、個室オフィスとして利用できる部屋やP2実験ができる実験個室、実験機器のデモ機を集約して設置する専用スペースなどを整備する予定。機器メーカーが使用データを収集できるなど、メーカー側にもメリットのある環境を整える計画だ。26年4月に着工し、27年末に工事完了を予定している。完成したスペースから順次入居・使用が可能となる見込みで、27年には入居者数が17~18社になる見通し。