シーメンスヘルスケア・櫻井社長 神経変性疾患に本格参入 まずアルツハイマー病で価値提供
公開日時 2026/04/10 04:50

シーメンスヘルスケアの櫻井悟郎代表取締役社長は4月9日、東京で開いた2030年までの5カ年の中期経営戦略発表会で、心血管疾患、脳卒中、がんに神経変性疾患を加えた4疾患領域において、予防・早期発見から治療・フォローアップまで、装置をベースに包括的なソリューションを提供していく方針を表明した。これはグローバル戦略と同じ方向で、「日本における医療課題と高度に合致している」と述べた。本格参入する神経変性疾患では、まずアルツハイマー病を対象とし、ARIA(アミロイド関連画像異常:浮腫や出血など)のモニタリングでAIを活用したMRI検査を実現するなど、日本の医療課題に対応する高度なポートフォリオを展開する構えをみせた。
同社ダイアグノスティックイメージング事業本部の宇根田宏徳事業本部長は、「アルツハイマー病に対する診断と治療のニーズが増えていくことを意識して、神経変性疾患をターゲット疾患の一つに加えた」と説明した。
レカネマブをはじめとする抗アミロイドβ抗体の治療開始の判断やARIAの定期的なモニタリングにあたり、アミロイドPET検査やMRI検査に同社製品が使われている。宇根田氏は「今後、より注力していく」と話すとともに、「AIによる画像診断支援で検査効率を上げていく」ことに取り組む考えを示した。また、アルツハイマー病のほかにパーキンソン病も今後の対象疾患になり得るとの認識も示した。
ドイツに本社を構えるシーメンスヘルスケアの25年売上は234億ユーロ(約4兆822億円)で、技術的な知的財産権は2万5000以上、うち特許は1万6000件ある。イメージング(画像診断装置)、プレシジョンセラピー(がん治療、先進治療、超音波診断装置)、ダイアグノスティックス(体外診断薬・診断機器、ポイント・オブ・ケア)――の事業別で、いずれもトップのグローバルマーケットシェアを誇る。30年に向けて年間6~9%の収益成長を見込み、調整後EPSは年間2桁成長を目指す。