米トランプ大統領 リジェネロン社とMFN価格協定で合意 遺伝子治療薬「オタルメニ」の無償提供も公表
公開日時 2026/04/28 04:51

米トランプ大統領は4月23日(現地時間)、リジェネロン社の医療用医薬品について最恵国待遇(MFN)価格で米国民に提供することで合意したと発表した。今回の合意により、同社が今後発売する医薬品に最恵国待遇(MFN)価格が適用される。また、高コレステロール血症治療薬プラルエントについて「TrumpRx」を通じて直接購入する患者に対し、537ドルから225ドルに価格を引き下げて提供するとした。さらにリジェネロン社が開発した遺伝性難聴(OTO遺伝子変異)に対する遺伝子治療薬「オタルメニ」を一定期間、無償提供することも公表された。
◎「これまでに主要製薬企業17社と合意した。ブランド医薬品市場の86%を占める」
トランプ大統領はリジェネロン社とのMFN価格協定合意後にメディアブリーフィングに応じ、「これまでに主要製薬企業17社と合意した。ブランド医薬品市場の86%を占めている。これらの製薬会社はそれぞれ米国内の患者に最恵国待遇(MFN)価格で医薬品を提供することで、国際的な医薬品価格の根本的な均衡を取り戻すことに同意した」と強調した。
リジェネロン社は2025年7月にトランプ大統領が直接書簡を送ったグローバルメガファーマ17社中、最後の合意企業となる。今回のリジェネロン社の合意により同社の医療用医薬品は、全米のメディケイド・プログラムにおいて最恵国待遇(MFN)価格で医薬品を購入することができる。またMFN直販サイト「TrumpRx.gov」(https://trumprx.gov/)を通じて、高コレステロール血症治療薬プラルエントを割引価格で購入できることも発表された。
◎リジェネロン社 29年までに米国内の研究開発拠点・製造生産施設に270億ドルを投資
一方でリジェネロン社はMFN価格協定の合意に際し、2029年までに米国における研究開発拠点および製造生産施設に270億ドルを投資することを明らかにした。同社は米国で販売するバイオ医薬品の製造能力を米国国内で2倍以上に増強する計画。なお、今回の発表により、トランプ関税等に伴う対米投資の医薬品投資総額は、15か月で4480億ドルに達した。
◎遺伝子治療薬「オタルメニ」の治療を受けた2歳児と母親が同席

合意に際しリジェネロン社が開発した遺伝性難聴(OTO遺伝子変異)に対する遺伝子治療薬「オタルメニ」について一定期間、無償提供することを公表した。同剤は米国食品医薬品局(FDA)長官の国家優先バウチャープログラムを通じて、前例のない短期間で承認されたもの。この日のブリーフィングには、同剤で治療を受けた2歳児と母親が同席。トランプ大統領が、「奇跡の治療を受けて、お母さんの“愛してる”という言葉を聞くことができるようになった」と話すと、母親は、「本当にすごいことです。まさに奇跡です」と応じる場面もあった。
◎MFN価格協定に合意した製薬企業17社
4月23日現在でMFN価格協定に合意した製薬企業17社は次の通り。ファイザー、アストラゼネカ、EMDセローノ、イーライリリー、ノボノルディスク、アムジェン、ブリストル・マイヤーズスクイブ、ベーリンガーインゲルハイム、ジェネンテック、ギリアド・サイエンシズ、GSK、メルク、ノバルティス、サノフィ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アッヴィ、リジェネロン。