ノバルティス SIGN研究問題で経営陣を刷新 関与のMR上長ら解雇

公開日時 2014/04/04 03:52
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ノバルティス・スイス本社のデビッド・エプスタイン社長は4月3日、都内で記者会見に臨み、医師主導臨床研究「SIGN」にMRらが関与した問題を受け、日本法人のノバルティス ファーマの二之宮義泰代表取締役社長ら経営陣が退任し、ダーク・コッシャ氏が代表取締役社長に就任するなど、経営陣を刷新する人事を発表した。新体制は同日付で、ノバルティス ファーマの代表取締役社長にダーク・コッシャ氏が就任するほか、常務取締役オンコロジー事業本部長にフランシス・ブシャール氏、ノバルティスホールディングジャパン代表取締役社長にマイケル・フェリス氏を就任させる。また、SIGN研究にかかわったMRの上長である現場責任者ら数名については、同社のグローバルの行動・倫理規範に反する行為を行ったとして、4月2日付で解雇したことも明らかにした。


これに伴い、ノバルティス ファーマの二之宮義泰代表取締役社長、淺川一雄常務取締役オンコロジー事業本部長、ノバルティスホールディングジャパンの石川裕子代表取締役社長は4月3日付で辞任した。


会見でエプスタイン氏は、SIGN研究で患者情報保護を侵害した可能性があることや副作用の報告義務を怠ったことを「非常に重く受け止めている」と述べた。同研究では、奨学寄附金の運用の方法やアンケート調査の運搬・収集、事務用品や会議施設の提供、スケジュール調整、研究計画立案・同意書作成、報告書の作成・支援など、同社のグローバルポリシーに反する点が複数あったと説明。「(MRなど同社の社員は)医師主導臨床研究の実施に携わるべきではなかった」と述べた。


問題の根底には、本来臨床研究に携わるメディカル・アフェアーズと営業(コマーシャル)が分離していないことがあると指摘し、早急に分離する必要性を強調した。その上で、「最重要なのは、(日本法人の)企業文化を変化させること」と述べ、新経営陣にはこれまでの日本法人にあったカルチャーをグローバルポリシーに合致したものに変革することに期待をよせた。新社長に就任したコッシャ氏は、「法令を順守し、倫理的な組織作りを行う。信頼回復のために、一丸となって取り組む」と語った。


◎「再発防止研修以降に関与した社員には必要な措置を取る」


エプスタイン氏はまた、ディオバン問題発生後、再発防止に向けて社員、経営陣を対象に、契約型の医師主導臨床研究などをテーマとしたコンプライアンス必須研修を実施してきたと説明。ただ、研修を実施した10月以降も医師主導臨床研究に関する問題があったことを問題視。「再発防止研修以降に、(医師主導臨床研究に)関与した社員については、必要な措置を取っていく」と述べた。特に、データの破棄や証拠の隠蔽にかかわるなど、グローバルの行動規範に従わなかった社員や再発防止研修を受講していない社員については、同社の信頼を損なう可能性があることから、厳しい判断も辞さない構えもみせた。MRなどの処分については、4月2日に「慢性骨髄性白血病治療薬の医師主導臨床研究であるSIGN研究に関する社外調査委員会」(委員長:原田國男氏)がまとめた報告書を踏まえ、決定するという。


◎医師主導臨床研究への支援を一時的に中断


今後の再発防止策として、管理職を含む全社員を対象に3回目となる再発防止の必須研修を実施。臨床研究支援についてのグローバルポリシーを理解してもらうという。ただ、これまで臨床研究をサポートしていた経緯がある社員に対しては、急な行動の変容が必要であることから、「マネジメントの人間が社員と一緒に行って説明する」など管理職のサポートも必要との考えを示した。


同社はまた、2011年以降に実施された過去3年間の医師主導臨床研究について、第三者による調査を実施中であることも明らかにした。調査は2月初旬に開始し、今夏に完了する予定。調査が完了し、全社員がグローバルポリシーを理解するまでの間、日本における医師主導臨床研究に対する支援を一時的に中断することも同日報告した。


新経営陣の略歴は以下の通り。

◆ノバルティスホールディングジャパン株式会社 代表取締役社長
マイケル・フェリス氏(63歳)
国籍:イギリス
2005~10年ノバルティス ファーマ株式会社開発部長、定年後は同社アドバイザー(前職)。


◆ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長
ダーク・コッシャ氏(50歳)
国籍:ドイツ
2001年ノバルティス入社。グループ戦略立案担当のほか、ドイツ、スイス、アイルランドの社長を歴任。前職は、ノバルティス ファーマEGM(新興成長市場)オンコロジー事業部門責任者。


◆ノバルティス ファーマ株式会社常務取締役オンコロジー事業本部長
フランシス・ブシャール氏(51歳)
国籍:カナダ
主にコマーシャルやマーケットアクセス並びに臨床開発を統括。前職は、ノバルティス ファーマ アジアパシフィックおよび南アフリカ オンコロジー事業部門責任者。

 

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