日本糖尿病学会 SGLT2阻害薬適正使用求める 脳梗塞、全身性皮疹など重篤な副作用に注意を

公開日時 2014/06/16 03:52
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日本糖尿病学会のSGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会は6月13日、「SGLT2 阻害薬の適正使用に関する Recommendation 」をホームページ上で公表し、尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹など重篤な副作用発生への注意喚起を行った。スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)の発売後1か月間の市販直後調査結果を踏まえたもので、この中には、治験では認められず、現在までに因果関係が明確になっていない全身性皮疹も含まれている。同委員会は、副作用を防ぐ上での“Recommendation”として、SU薬やインスリン分泌促進薬との併用時は減量や、脱水対策、原則2剤の併用など7項目の推奨事項を示した。SGLT2阻害薬について、「特に安全性を最優先して適正使用されるべき」と明記し、適正使用の周知徹底を図りたい考えだ。


学会では、スーグラの発売後1か月間の市販直後調査について、「重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが実現化した」と指摘。新たに委員会を発足させ、検討した結果をまとめた。市販直後調査では、副作用として、重症低血糖は4例(低血糖:24例)、ケトアシドーシス1例、脳梗塞3例(重篤2例含む)全身性皮疹・紅斑7例(重篤6例含む)などが報告されている。このうち、全身性皮疹は、重篤な症例は治験時にほとんど認められてなかったが、同剤との因果関係が疑われると指摘し、注意喚起した。副作用の発生時期は投与開始1~12日目。同クラス共通の副作用であるかも現時点では不明としている。


この検討を踏まえ、Recommendationとして、①SU薬はインスリン分泌促進薬やインスリンとの併用時に低血糖に十分留意し、減量を考慮する。患者にも低血糖の教育を十分行う、②高齢者への投与は適応を考慮した上で開始。発売から3か月以内に65歳以上に投与する場合は、全例特定使用成績調査に登録する、③脱水防止について患者への説明も含め、十分な対策を講じる。利尿薬との併用は推奨しない、④発熱・下痢・嘔吐などがある時ないし、食思不振で食事が十分とれない場合(シックデイ)は休薬する、⑤皮疹・紅斑などが認められた場合は速やかに投与を中止し、副作用報告を行う、⑥尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行い発見に努める。問診では質問紙の活用も推奨する、⑦原則として、他に2剤程度までの併用が当面推奨される――とした。


◎脱水から脳梗塞発生のリスクも BG薬との併用には注意を


重症低血糖については、複数の糖尿病薬を併用している患者にさらに追加投与されているケースが多かったと指摘。特に低血糖リスクが高いSU薬と併用する場合には、DPP-4阻害薬と同様に減量を考慮するよう求めた。具体的には、▽グリメピリドの処方が2mg/日を超えている患者ではそれ以下に減量、▽グリベンクラミドの処方が1.25mg/日を超えている患者はそれ以下に減量、▽グリクラジドの処方が40mg/日を超えている患者はそれ以下に減量――することを求めた。なお、GLP-1阻害薬との併用の有効性、安全性は治験では検討されていないことへの留意も求めた。


脳梗塞については、脱水から脳梗塞に至ることを改めて注意喚起し、高齢者や利尿薬併用患者など体液量減少を起こしやすい患者に対する投与は十分な理由がある場合のみとした。その上で、特に投与初期には体液量減少に対する十分な観察と適切な水分補給を必ず行い、投与中も注意を継続することを求めた。また、脱水がビグアナイド(BG)薬による乳酸アシドーシスの重大な危険因子であることから、併用時には脱水と乳酸アシドーシスに十分注意を払うことが必要とした。


そのほか、ケトアシドーシスは極端な糖質制限を行っていた症例で発生した。そのため、インスリン分泌能が低下している症例や、栄養不良状態、飢餓状態の患者や極端な糖質制限を行っている患者への投与に際し、注意を求めた。
 

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