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医療用薬9製品 新効能の追加承認

公開日時 2016/03/01 03:51

医療用医薬品9製品が2月29日、新効能などの追加承認を取得した。5製品は、厚労省の「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、同省から開発要請され、適応追加したもの。

 
承認された医薬品は次のとおり(カッコ内は一般名と申請企業名)
 
ハラヴェン静注1mg(エリブリンメシル酸塩、エーザイ):「悪性軟部腫瘍」の効能・効果を追加。
 
骨、リンパ組織、皮膚以外の皮下組織、筋肉、筋間組織、血管、神経などにできる腫瘍を軟部腫瘍と呼ぶ。軟部腫瘍の中でも腫瘍が発生した部位で発育するばかりでなく、肺、骨、リンパ節などに転移を起こす可能性をもったものを悪性軟部腫瘍という。
 
欧米を中心に実施したフェーズ3(309試験)では、ドキソルビシン塩酸塩などアントラサイクリン系抗がん剤治療を含む少なくとも2レジメンの前治療歴を有する進行・再発軟部肉腫を対象に行い、主要評価項目である全生存期間(OS)において、エリブン投与群が中央値13.5カ月と、対照薬のダカルバジン投与群11.5 カ月に対し、統計学的に有意な延長を示す結果が得られた。
 
ネクサバール錠200mg(ソラフェニブトシル酸塩、バイエル薬品):「根治切除不能な甲状腺がん」を効能・効果に追加。
 
これまでは「根治切除不能な分化型甲状腺がん」だったが、今回「分化型」を削除し、適応の拡大となった。国内フェーズ2の結果に基づく日本独自の適応症だという。
 
オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):根治切除不能な悪性黒色腫における化学療法未治療患者の適応追加と、化学療法既治療患者に対する用法用量を追加。以下のとおり。
 
未治療患者:2週間間隔(1回3mg/kg)
既治療患者:3週間間隔(1回2mg/kg)に2週間間隔(1回3mg/kg)を追加。
 
小野薬品が販売、ブリストル・マイヤーズとコ・プロモーション。
 
リツキサン注10mg/mL(リツキシマブ(遺伝子組み換え)、全薬工業):「腎移植、肝移植のABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応の抑制」を効能・効果に追加。
 
この適応症については、厚労省の「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘され、同省が開発を要請していた。脳死移植ドナーが少ない日本では、血液型の異なる親族間による生体腎移植・肝移植の割合が高い。その結果、海外と比べ、ABO血液型不適合移植における抗体関連型拒絶反応を抑制するニーズも必然的に高い。
 
全薬工業と中外製薬と共同販売。
 
イーケプラ錠250mg、同錠500mg、同ドライシロップ50%、同点滴静注500mg(レベチラセタム、ユーシービージャパン):「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められていないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法」の効能・効果を追加。
 
この適応症については、厚労省の「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘され、同省が開発を要請していた。強直間代発作は、てんかんの全般発作のひとつ。全身が硬直する強直発作に続き、筋肉の収縮と弛緩が交互に出現する間代性の痙攣発作が起こる。

大塚製薬が販売、ユーシービージャパンと共同販促。
 
リスパダール錠1mg、同錠2mg、同細粒1%、同OD錠0.5mg、同錠1mg、同錠2mg、同内用液1mg/mL(リスペリドン、ヤンセンファーマ):「小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」を効能・効果に追加。
 
この適応症については、厚労省の「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘され、同省が開発を要請していた。投与対象となる易刺激性の具体的症状は、自傷行為や攻撃性等。なお、3mg錠は今回追加した適応症の対象ではない。
 
キックリンカプセル(ビキサロマー、アステラス製薬):「慢性腎臓病患者における高リン血症の改善」の効能・効果を追加。
 
従来の効能・効果だった「透析中の慢性腎不全患者における抗リン血症の改善」から対象患者を拡大し、人工透析導入前のへ「保存期」患者にも使えるようになった。
 
アステラスが販売、三和化学と共同販促。
 
トリプタノール錠10、同錠25(アミトリプチリン塩酸塩、日医工)
アミトリプチリン塩酸塩錠10mg「サワイ」、同錠25mg「サワイ」(同、沢井製薬):「末梢性神経障害性疼痛」の効能・効果を追加。
 
同剤は三環系抗うつ薬。追加した適応症については、厚労省の「医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の判断を経て、公知申請されていたもの。この適応に用いる場合は通常、成人1日10mgを初期用量とし、1日最大150mgまで。
 
添付文書には、「末梢性神経障害性疼痛に対して本剤を投与する場合は、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性等の精神症状の発現リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること」と注意が明記された。
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